WTI原油が111ドルに暴騰(週間+18%)──地政学リスクの高まりでエネルギー市場が激震。ドル円は160円台から反落し159.6円で着地。VIXは31台から23台に急低下し恐怖は一服したものの、原油高がインフレ再燃リスクを突きつけています。
日経平均は53,123円で週間-0.5%(-250円)。先週の53,373円とほぼ同水準での3週連続の横ばいが続いていますが、上値は重い。25日線(54,058円)・50日線(54,717円)を下回ったままで、100日間レンジ内位置は44.0%と中間をやや下回っています。週間高値54,258円まで一時戻す場面がありましたが、25日線を回復できずに押し戻された格好。週間安値は50,559円まで急落する場面もあり、ボラティリティの大きさは健在です。ドル円が160円から反落したことで輸出関連株への期待がやや後退しています。
NYダウは46,505ドルで週間+1.2%(+545ドル)。先週のレンジ内位置1.9%という「危険水域」から26.5%まで持ち直しました。ただし25日線(46,918ドル)・50日線(48,172ドル)は依然として上に位置しており、回復というより「底ばいからの自律反発」にすぎません。100日間安値の45,057ドルが今週安値とほぼ一致しており、このラインが下値の最終防衛線です。VIXが31台から23台に急低下したことがセンチメントの改善に寄与しましたが、WTI原油の111ドル突破が新たなインフレ懸念として重荷になりそうです。
米10年国債利回りは4.31%で、先週の4.44%から-0.13%ポイントの低下。100日間高値4.48%に迫っていた先週からやや後退し、レンジ内位置は67.6%と先週の91.7%から大幅に低下しました。25日線(4.24%)・50日線(4.20%)を上回ってはいますが、「4.5%突破→新たな金利上昇ステージ」は回避された形です。ただし原油が111ドルに急騰しておりインフレ再燃リスクは高く、金利低下トレンド入りとは言い切れません。
VIX指数は23.87で着地し、先週の31.05から-23%の急低下。4週続いた「高警戒」ゾーンからようやく30を下回りました。週間高値31.65→今週安値23.50と大きく振れており、市場のセンチメントが「パニック」から「様子見」に急転換した一週間でした。ただしレンジ内位置は47.9%とまだ中間水準であり、VIX20割れ(安心ゾーン)には距離があります。原油暴騰という新たなリスクが加わったことで、VIXの再上昇リスクは残ります。
ビットコインは10,750,550円で週間+0.8%(+約9万円)。先週までの4週連続下落がようやく止まり、小幅反発。ただし25日線(11,071,475円)を大きく下回ったままで、50日線(10,820,663円)も回復できていません。100日間レンジ内位置は21.9%と下位圏が続いています。週間高値10,962,542円まで戻す場面はありましたが、50日線に届かず反落。100日間高値15,514,429円からは31%の下落と、依然として厳しい環境です。
イーサリアムは328,155円で週間+1.5%。BTCと同様に下げ止まりの兆しを見せていますが、25日線(335,979円)を下回ったまま。50日線(322,619円)は辛うじて上回っています。レンジ内位置は20.5%と100日間のかなり低い位置にあり、100日間高値537,680円からは39%の下落。暗号資産全体が底値を固めるフェーズに入った可能性はありますが、確認にはまだ時間が必要です。
WTI原油は111.54ドルで週間+18.1%(+17.06ドル)の暴騰。先週の99.64ドルから一気に100ドルの大台を突破し、さらに110ドル超えまで駆け上がりました。週間高値113.97ドルは100日間レンジ内位置87.7%に相当する高水準です。25日線(103.11ドル)からは+8.2%もの上方乖離。地政学リスクの高まりが原油市場を直撃し、わずか1週間で10ドル以上の急騰となりました。この原油高が続けば、インフレ再燃→金利上昇→株安という悪循環が再び強まるリスクがあります。
金は4,651.5ドルで週間+6.3%(+276ドル)の急反発。先週まで2週連続で下落(-11%→-1.7%)していたところからV字回復の兆しを見せました。週間高値4,789.1ドルまで買い戻しが入っています。ただし25日線(4,860ドル)・50日線(4,937ドル)はまだ上に位置しており、レンジ内位置も41.8%と中位以下。原油暴騰を受けたインフレヘッジ需要と、金利低下(4.44%→4.31%)が追い風になりました。100日間高値5,586ドルからは-16.7%で、本格回復にはSMA回復が必要です。
銀は72.74ドルで週間+7.5%(+5.06ドル)の急反発。金と同様に底打ちの動きを見せましたが、25日線(78.18ドル)からは-7.0%、50日線(82.74ドル)からは-12.1%と凄まじい下方乖離が続いています。100日間レンジ内位置は33.7%で下位圏。100日間高値121.3ドルからは40%の下落と、金以上にダメージが大きい状態は変わっていません。
白金は1,963.8ドルで週間+6.8%(+125.5ドル)。3週連続の大幅下落(-4.7%→-5.7%→-5.1%)がようやく止まり、反発に転じました。ただし25日線(2,053ドル)・50日線(2,151ドル)は遥か上にあり、100日間高値2,852ドルからは-31.1%の下落幅。レンジ内位置は34.0%で貴金属3品目すべてが中位以下にとどまっています。今週の反発は原油暴騰に伴うインフレヘッジ買いが主因で、持続力は不透明です。
上海総合(3,880ポイント)は週間-0.9%と続落。100日間安値3,795ポイントに接近しつつあり、レンジ内位置は21.2%と先週の29.6%からさらに低下。25日線(4,014)・50日線(4,065)を大きく下回り、4,000ポイント回復は遠い状態です。インドSENSEX(73,320ポイント)は週間-1.0%で、レンジ内位置12.1%とほぼ100日安値圏。先週の7.5%からわずかに持ち直しましたが、25日線(76,824)との乖離は-4.6%で深刻。新興国株式は原油高によるインフレ・通貨安の逆風を受け続けています。
チャートをざっくり3グループに分けると——
🟢 上昇トレンドが続いている:USD/JPY(パーフェクトオーダー継続)、USD/CAD、USD/CHF、WTI原油(111ドル暴騰)
🔴 下降トレンドが続いている:GBP/USD(75日安値更新)、NZD/USD(75日安値到達)、EUR/USD、上海総合、インドSENSEX、BTC、ETH
🟡 方向感を探っている:日経平均、NYダウ(自律反発)、EUR/JPY、GBP/JPY、AUD/JPY、CHF/JPY、AUD/USD、EUR/CHF、EUR/GBP、CAD/JPY、金・銀・白金(反発だが底値圏)、VIX(急低下)、米10年利回り
ひと言でまとめると、「原油111ドル暴騰が主役──VIX急低下の裏で新たなリスクが台頭」という週でした。VIXの31→24急低下で市場の恐怖は和らぎましたが、WTI+18%の暴騰がインフレ再燃リスクを突きつけています。貴金属の反発はインフレヘッジ需要の表れ。来週は雇用統計やFRB高官発言に加え、原油のさらなる上昇があるかが最大の焦点です。
ドル円は159.632円で週を終え、先週の160.27円から-0.4%の反落。週間高値160.442円で75日間高値を更新しましたが、160円台を維持できずに押し戻されました。移動平均線は25日線(158.67円)→50日線(156.70円)→100日線(156.60円)→200日線(152.66円)と下から順に並ぶ上昇パーフェクトオーダーが継続中で、4本のSMAすべてを上回っています。SMA200との乖離率は+4.6%で先週の+5.2%からやや縮小。160円台は引き続き介入警戒ゾーンですが、今週は当局の発言よりも原油高に伴うドル需要が相場を動かしました。
クロス円は今週、4ペアすべてが25日線を割り込む弱い展開でした。GBP/JPY(210.66円)は先週のパーフェクトオーダーが崩れ、25日線(211.58円)・50日線(211.18円)の下に沈んで週間-0.9%。100日線(210.00円)がサポートとして意識されます。EUR/JPY(183.81円)は週間-0.3%の小幅安で、25日線(183.50円)・50日線(183.43円)は辛うじて上回っていますが、SMA配列は上昇パーフェクトオーダーを維持しつつも勢いに陰りが見えます。AUD/JPY(110.00円)は先週に続いて25日線(111.19円)を下回ったまま。CHF/JPY(199.55円)も25日線(201.54円)・50日線(200.95円)の下にあり、2週連続で弱い形が続いています。
EUR/USDは1.1522で週間ほぼ横ばい(+0.09%)。先週の1.1511からわずかに反発しましたが、4本のSMAをすべて下回る展開が3週目に突入しました。25日線(1.1567)・200日線(1.1677)・100日線(1.1687)・50日線(1.1708)が1.15〜1.17台に密集しており、上値の壁は引き続き厚い。75日間安値の1.1414まではまだ余裕がありますが、反発の力は弱く、方向感を欠いた底ばいが続いています。
GBP/USDは1.3195で週間-0.5%。先週の1.3261からさらに下落し、今週安値1.3161が75日間安値を更新しました。4本のSMAをすべて下回ったまま、25日線(1.3336)・100日線(1.3412)・200日線(1.3425)・50日線(1.3479)が1.33〜1.35に集中する厚い壁が上にあります。SMA25からの乖離率は-1.1%で先週とほぼ同水準。ドル高が続く限り回復は難しい形です。
AUD/USD(0.6896)は週間+0.3%と先週の大幅安から小幅反発。しかし25日線(0.7010)・50日線(0.7023)を大きく下回ったままで、乖離率はSMA25で-1.6%、SMA50で-1.8%。100日線(0.6826)が次のサポートです。SMAの配列自体は25>50>100>200の混在ですが、価格が50日線の下にある以上、反発力は限定的です。NZD/USD(0.5690)は週間-1.0%で75日間安値0.5686にほぼ到達。4本のSMAすべてを下回る弱い形が続いており、底割れ寸前の危険な水準です。
USD/CAD(1.3942)は週間+0.4%と続伸し、先週に続いて75日間高値圏(1.3967)にとどまっています。4本のSMAすべてを上回り、SMA25(1.3731)との乖離率+1.5%。ドル高の象徴的なペアとしての地位を確立しています。USD/CHF(0.7994)は週間ほぼ横ばいで75日間高値(0.8042)付近を維持。全SMAの上にあり強い形です。EUR/CHF(0.9212)は週間+0.2%で25日線(0.9104)・50日線(0.9127)を上回っていますが、100日線(0.9218)・200日線(0.9275)は依然として上に位置しており、SMA配列の下降パーフェクトオーダーは解消されていません。CHF高の大きな流れは維持されています。
EUR/GBP(0.8731)は週間+0.6%と上昇し、4本のSMAすべてを上回る形に転換しました。先週まで全SMA下にいたことを考えると、ポンドに対するユーロの相対的な強さが一気に逆転した格好です。SMA25(0.8672)からの乖離率+0.7%で、まだ方向感が定まったわけではありませんが注目すべき変化です。CAD/JPY(114.46円)は週間-0.8%で25日線(115.54円)・50日線(114.49円)の下に沈みました。先週まで辛うじて維持していた50日線を割り込んだ形です。EUR/AUD(1.6697)は25日線(1.6503)・50日線(1.6671)を上回っていますが、SMA配列の下降パーフェクトオーダーは継続中。100日線(1.7134)・200日線(1.7484)は遠く上にあり、AUD安の修正にはまだ時間がかかりそうです。