ホルムズ海峡リスクが一服するなか、米ドルが高金利と安全通貨需要の二本柱で首位に浮上。豪ドルは好調な雇用統計と資源高を背景に6位→2位へ急上昇。一方、RBNZのサプライズ利下げ余波が続くNZDが最弱通貨に転落した1週間を、ファンダメンタルズ中心に総括します。
| 順位 | 通貨 | 強弱指数 | 前週 | 可視化 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 🇺🇸 USD | +1.4972 | 2位 | |
| 2 | 🇦🇺 AUD | +0.6824 | 6位 | |
| 3 | 🇨🇦 CAD | +0.1912 | 1位 | |
| 4 | 🇯🇵 JPY | +0.0839 | 5位 | |
| 5 | 🇬🇧 GBP | -0.1681 | 3位 | |
| 6 | 🇪🇺 EUR | -0.5192 | 8位 | |
| 7 | 🇨🇭 CHF | -0.7824 | 4位 | |
| 8 | 🇳🇿 NZD | -0.9849 | 7位 |
| 順位 | ペア | 変化率 | 方向 |
|---|---|---|---|
| 1 | USD/NZD | +2.219% | USD強 / NZD弱 |
| 2 | USD/CHF | +2.053% | USD強 / CHF弱 |
| 3 | USD/EUR | +1.766% | USD強 / EUR弱 |
| 4 | AUD/NZD | +1.443% | AUD強 / NZD弱 |
| 5 | USD/GBP | +1.422% | USD強 / GBP弱 |
| 順位 | ペア | 変化率 | 方向 |
|---|---|---|---|
| 24 | EUR/CAD | -0.609% | EUR弱 / CAD強 |
| 25 | GBP/AUD | -0.762% | GBP弱 / AUD強 |
| 26 | EUR/AUD | -1.042% | EUR弱 / AUD強 |
強弱指数 +1.4972で今週最強通貨に。前週のCAD独走が一服するなか、高金利(3.50〜3.75%)と地政学リスクに伴う安全通貨需要が二本柱としてドルを支えた。
対NZDで+2.22%、対CHFで+2.05%、対EURで+1.77%と、弱い通貨に対して広範にドル高が進行。7ペアすべてでプラスを記録し、「全方位型のドル高」という強い構図を示している。
強弱指数 +0.6824で今週のジャンプアップ銘柄。前週は資源国でありながら原油純輸出国でないことが嫌気され6位に沈んでいたが、今週は豪州固有のファンダメンタルズが好転。
雇用統計の好結果(失業率3.9%、雇用者数+4.2万人)がRBAの追加利下げ観測を後退させ、対EUR(+1.04%)・対GBP(+0.76%)・対JPY(+0.52%)と欧州・円に対して広くAUD高が進行した。
強弱指数 +0.1912。前週は原油急騰を背景に+1.54で独走1位だったが、ホルムズ海峡リスクの後退と原油価格の調整(92ドル→86〜88ドル)により、リスクプレミアムが剥落。
依然としてプラス圏を維持しており「弱くなった」わけではないが、USD/CADが+1.09%とドルに対しても売られる展開。前週比で最も落差が大きい通貨となった。
強弱指数 +0.0839とほぼ中立。ゼロ近辺ながらプラス圏を維持し、前週5位から1ランク上昇。USD/JPYは+1.23%と対ドルでは円安が進行したものの、対NZD(+0.92%)・対CHF(+0.73%)では円高方向に振れた。
BOJは政策金利0.75%を維持。植田総裁は追加利上げに含みを持たせるも、エネルギー輸入コスト増の懸念から慎重姿勢が続く。
強弱指数 -0.1681で小幅マイナス圏へ。前週は北海油田の恩恵もあり3位に位置していたが、今週は英国固有の材料が乏しく、USD・AUDの浮上に押される形で後退。
対NZD(+0.71%)・対CHF(+0.50%)では依然ポンド高だが、対AUD(-0.76%)・対USD(-1.42%)ではポンド安。方向感の定まりにくいポジションに。
強弱指数 -0.5192。前週は-0.9984で最弱通貨だったが、2ランク改善し6位に浮上。ただし依然としてマイナス圏は深く、回復というよりはNZD・CHFの下落に助けられた相対的な順位改善。
ECBの金利据え置き姿勢は継続。ユーロ圏のPMIがわずかに改善し、景気底打ち期待がユーロ売りの一服につながった面も。
強弱指数 -0.7824で大幅後退。前週は安全通貨としてほぼ中立(-0.07)だったが、ホルムズ海峡リスクの緩和で安全通貨需要がUSDに集中し、CHFは置き去りに。
USD/CHFが+2.05%と大きくフラン安が進行。SNB(スイス国立銀行)のマイナス金利圏に近い低金利政策(現行0.50%)が、リスク選好局面では逆風として働く構図。
強弱指数 -0.9849で今週の最弱通貨。前週のRBNZによるサプライズ50bp利下げ(政策金利3.75%→3.25%)の余波が継続し、売り圧力が収まらない展開。
USD/NZDが+2.22%と全ペア中最大の変動を記録。AUD/NZDも+1.44%とオセアニア圏内でも大きく劣後。7ペアすべてでNZD安が進行する「全面安」の構図に。
前週はホルムズ海峡危機で原油関連のCADが独走したが、今週はリスクが一服しドルの「高金利+安全通貨」二本柱に資金が集中。USD指数+1.50 vs CAD指数+0.19と、ドルが圧倒的な差をつけている。
ドルは7ペアすべてでプラスという「全方位型の強さ」を示しており、単一要因(原油)に依存した前週のCADとは質が異なる。
地理的・経済的に近いAUDとNZDが、今週は真逆の方向に動いた。AUDは雇用好調で2位に浮上する一方、NZDはRBNZ利下げの余波で最弱に。AUD/NZDが+1.44%と、両通貨の乖離が鮮明に表れている。
背景にはRBA(慎重)とRBNZ(積極緩和)という金融政策スタンスの明確な違いがある。
前週はリスクオフ環境で安全通貨(USD・CHF・JPY)が総じて買われていたが、今週はリスクの一服でCHFから資金が流出。USD/CHF+2.05%が象徴するように、安全通貨需要はドルに一極集中。
JPYは+0.08でほぼ中立、CHFは-0.78で大きく沈み、安全通貨間の「勝ち組(USD)と負け組(CHF)」が明確に分かれた。
🏛️ 各国中央銀行と金融政策
米FRBは政策金利3.50〜3.75%を据え置き。2月CPIが前年比+2.8%と予想を下回り、インフレ鈍化期待が浮上する一方、パウエル議長は慎重姿勢を崩さず。市場は6月利下げ観測を維持するも、高金利長期化の可能性も残る。
RBA(豪州準備銀行)は2月の利下げ後も追加緩和に慎重な姿勢を示し、雇用統計が堅調に推移。豪ドルの支えとなった。
BOC(カナダ銀行)は前週の利下げ効果を見極める段階に入り、原油価格の高止まりがCADの下支えとなるも、前週のような独走は見られず。
📉 ホルムズ海峡リスクの一服と原油動向
前週の焦点だったホルムズ海峡リスクはやや後退。イランと米国の間で非公式協議の報道があり、WTI原油は92ドル台から86〜88ドル台へ調整。原油高で前週首位だったCADは、リスクプレミアムの剥落とともに3位へ後退した。
ただしエネルギー価格は依然として高水準にあり、エネルギー輸入国(日本・欧州)への圧力は継続中。
🇦🇺 豪ドル急浮上の背景
今週最大のサプライズは豪ドルの6位→2位への急浮上。3月の雇用統計で失業率が3.9%に低下、雇用者数も+4.2万人と予想を大幅に上回った。資源価格(鉄鉱石・石炭)の堅調さも加わり、RBAの追加利下げ観測が後退したことが買い材料に。