約1ヶ月半続いた三角持ち合いを上方向にブレイク。テクニカルは上値余地を示す一方、158〜160円台には当局の介入警戒ゾーンが控えています。チャートの形と見えている「壁」を整理します。
チャートは上を向いています。三角持ち合いのブレイクアウトは、統計的にも比較的信頼度の高いシグナルです。
しかし、その上値ターゲットの先には、1月に実績のある「日米レートチェック」の水準と、市場が意識する「160円防衛ライン」が控えています。
📈 テクニカルが「行け」と言い、🛑 ファンダメンタルズ(当局の姿勢)が「待て」と言う──そんな局面です。
上昇するにしても一直線ではなく、157〜158円台で当局の出方を探りながらの神経質な展開になりそうです。どちらに転んでも値幅が出やすいタイミング。ポジション管理には普段以上に気を配りたい場面です。
1月23日、日銀会合後に159円台まで急騰したドル円は、日米当局のレートチェック観測を受けて一気に153円台まで急落しました。この「159円→153円」の大きな振幅が三角持ち合い(シンメトリカル・トライアングル)の起点です。
その後の約1ヶ月半で、高値は切り下がり(159円付近→157円台→156円台)、安値は切り上がり(153円台→154円台→155円付近)。上下の値幅がじわじわと狭まる典型的な三角持ち合いを形成しました。
溜まったエネルギーの放出は、中東の地政学リスクという形でやってきました。週末のイラン攻撃を受けた「有事のドル買い」と、原油高による円売りが重なり、ドル円は157円台に突入。三角持ち合いの上辺を明確に突破しています。
テクニカルのセオリーでは、ブレイクアウト後は三角形の最大値幅(約5.5円幅:159円−153.5円)分だけ同方向に動く可能性があるとされます。単純計算では上値ターゲットは160〜161円近辺。チャートの形だけを見れば、上昇余地はまだある──というのがテクニカル的な読みです。
テクニカル的な上値ターゲットがちょうど重なるのが、当局の「介入警戒ゾーン」です。1月23日のレートチェックは159円台で実施されたとみられ、しかも日本側だけでなく米国(NY連銀)も参加した可能性が報じられました。日米協調でドル高・円安を牽制するという、非常にインパクトの大きいシグナルでした。
壁にぶつかった場合の下方リスクも見ておく必要があります。1月23日のケースでは、レートチェックだけで(実弾介入なしに)6円近い円高が一日で発生。日米協調の可能性が示唆されたことで、単独介入よりも効果が大きかったとされています。
仮に158〜159円台で口先介入やレートチェックが行われた場合、1月と同様の急落パターンが再現されるリスクは十分あります。三角持ち合いの上抜け直後に急反転する「ダマシ」のパターンになれば、ブレイクアウトを追いかけたポジションが一斉に巻き戻され、下落が加速する展開も想定されます。