2026年7月10日〜7月17日(週次レポート)

通貨強弱ファンダメンタルズ分析
──NZドルが3週連続首位、円が最弱に転落しJPY安が鮮明

ニュージーランドドル(NZD)が3週連続で首位を維持し、強弱指数も+1.1204へ拡大しました。「首位になった通貨は翌週に順位を落とす」というこれまでの傾向を3週続けて覆しており、振り子相場が止まってトレンドが形成されつつある可能性を示しています。一方、円(JPY)は7位から最弱8位(-0.9248)へ転落。変化率でもGBP/JPY(+0.821%)、EUR/JPY(+0.667%)、USD/JPY(+0.421%)と対円ペアが上昇上位を占め、JPY/NZD(-1.772%)、JPY/CAD(-1.360%)が下落上位に並ぶなど、円安が鮮明でした。カナダドル(CAD)が2位へ浮上し、NZD・CAD・AUDの資源国通貨が上位3つを独占しています。

順位 通貨 強弱指数 前週 可視化
1 🇳🇿 NZD +1.1204 1位
2 🇨🇦 CAD +0.6490 3位
3 🇦🇺 AUD +0.0302 4位
4 🇬🇧 GBP +0.0060 2位
5 🇪🇺 EUR -0.1940 6位
6 🇨🇭 CHF -0.2492 8位
7 🇺🇸 USD -0.4376 5位
8 🇯🇵 JPY -0.9248 7位
順位ペア変化率方向
1GBP/JPY+0.821%GBP4位 / JPY最弱
2CAD/CHF+0.813%CAD2位 / CHF6位
3EUR/JPY+0.667%EUR5位 / JPY最弱
4USD/JPY+0.421%USD7位 / JPY最弱
5AUD/CHF+0.215%AUD3位 / CHF6位
順位ペア変化率方向
最下位JPY/NZD-1.772%JPY最弱 / NZD首位
-2USD/NZD-1.366%USD下落 / NZD首位
-3JPY/CAD-1.360%JPY最弱 / CAD2位
変化率の上位・下位あわせて5ペアが「円安」を示す:TOP5のうち3ペアが分母JPY(GBP/JPY +0.821%、EUR/JPY +0.667%、USD/JPY +0.421%)で円が売られ、BOTTOM3のうち2ペアが分子JPY(JPY/NZD -1.772%、JPY/CAD -1.360%)で円が下落。合わせて5ペアが円安を指し示しており、実質的に「全方位に近いJPY安」の週でした。さらにBOTTOM3にはUSD/NZD(-1.366%)も入り、NZドルの強さと米ドルの弱さも同時に確認できます。

① NZドルが3週連続首位──「首位は翌週落ちる」を3度連続で覆す

NZDが3週連続で首位を維持し、強弱指数も+1.1204へと前週から拡大しました。当サイトではこれまで「首位になった通貨は翌週に順位を落とす」という傾向が繰り返し確認されてきましたが、NZDはこれを3週続けて覆しています。過去7週の推移は「8位→1位→8位→8位→1位→1位→1位」と、6月までの極端な往復から一転、直近3週は首位で安定。変化率でもJPY/NZD(-1.772%、今週最大の下落率)、USD/NZD(-1.366%)とX/NZDが下落上位に並び、NZドルが幅広い通貨に対して買われました。

3週連続首位かつ指数拡大は、振り子相場が止まり「トレンド」が形成されつつあるサインかもしれません。ただし当サイトの経験則では、こうした「安定」が現れた直後に急反転するケースも繰り返されてきました。トレンド追随に傾きすぎず、来週の動きを慎重に見極めたい局面です。

② 円が最弱に転落──変化率5ペアが円安を示す

JPYが前週7位から最弱8位(-0.9248)へ転落しました。指数-0.9248は8通貨中で最も低く、NZD(+1.1204)との差は2.04ポイントに達しています。変化率ではGBP/JPY(+0.821%、今週最大の上昇率)、EUR/JPY(+0.667%)、USD/JPY(+0.421%)と対円ペアが軒並み上昇し、JPY/NZD(-1.772%)、JPY/CAD(-1.360%)では円が大きく売られました。TOP5・BOTTOM3を合わせて5ペアが円安を示しており、実質的に全方位に近いJPY安です。日銀の金融緩和維持観測と、内外金利差を意識したキャリートレードが背景とみられます。

JPYは過去7週で「2位→4位→3位→4位→6位→7位→8位」と、段階的に順位を下げ続けています。振り子的な往復ではなく一方向に弱含む動きで、円安トレンドが定着しつつある可能性があります。クロス円の上昇が続くか、当局の姿勢を含めて注視が必要です。

③ 資源国通貨が上位を独占──カナダドルが2位へ浮上

NZD(1位)、CAD(2位+0.6490)、AUD(3位+0.0302)と、資源国通貨3つが上位を独占しました。CADは前週3位から2位へ浮上し、指数も+0.6490と堅調。CAD/CHF(+0.813%、今週2位の上昇率)でスイスフランに対して大幅高、JPY/CAD(-1.360%)では円に対しても大きく買われています。AUDは3位ながら指数は+0.0302とほぼゼロで、NZD・CADに比べると勢いは限定的です。資源国通貨がそろって上位に来る一方、安全通貨のCHF(6位)・JPY(8位)が下位に沈む構図となりました。

資源国通貨の上位独占は、リスク選好が続いていることの表れ。ただしAUDの指数がほぼゼロである点は、資源国通貨のなかでも選別が進んでいることを示します。NZD・CADの強さとAUDの伸び悩みの差に注目です。

🇳🇿 NZD(ニュージーランドドル)── 1位 / +1.1204

前週1位 → 今週1位(±0)

3週連続の首位で、指数も+1.1204へ拡大しました。JPY/NZD(-1.772%、今週全28ペア中最大の下落率)、USD/NZD(-1.366%)とX/NZDが下落上位を占め、NZドルが幅広い通貨に対して上昇。2位のCAD(+0.6490)との差も0.47ポイントあり、明確な単独首位です。6月には「首位↔最弱」を一週おきに往復する極端な振り子の主役でしたが、7月に入ってからは3週続けて首位を守り、様相が一変しています。

NZDの過去7週推移は「8→1→8→8→1→1→1」。前半の激しい往復から、直近3週は首位で安定という対照的な動きです。振り子からトレンドへの移行が本物かどうかが、今後の最大の焦点となります。

🇨🇦 CAD(カナダドル)── 2位 / +0.6490

前週3位 → 今週2位(+1)

前週3位から2位(+0.6490)へ1ランク上昇し、指数も堅調です。CAD/CHF(+0.813%、今週2位の上昇率)でスイスフランに大幅優位、JPY/CAD(-1.360%、今週3位の下落率)で円に対しても大きく買われました。NZドルには及ばないものの、資源国通貨のなかで2番手の強さを確保。6月には原油安で最弱に沈む場面が繰り返されましたが、7月は2位・3位と上位で安定しており、地合いの改善がうかがえます。

CADの過去7週推移は「4→8→5→2→8→3→2」。6月の乱高下から、直近3週は「8位→3位→2位」と着実に順位を上げています。原油価格の落ち着きがカナダドルを下支えしているとみられます。

🇦🇺 AUD(豪ドル)── 3位 / +0.0302

前週4位 → 今週3位(+1)

前週4位から3位(+0.0302)へ1ランク上昇しましたが、指数はほぼゼロ近傍にとどまりました。AUD/CHF(+0.215%)でスイスフランに小幅優位を確保した程度で、NZD・CADのような明確な強さはありません。同じ資源国通貨でありながら、NZD(+1.1204)とは1.09ポイント、CAD(+0.6490)とは0.62ポイントの差があり、オセアニア・資源国通貨のなかでの選別が進んでいることを示しています。

AUDは「順位は3位だが指数はほぼゼロ」という状態で、実質的には中立に近い位置づけです。NZDとの連動が薄れており、資源国通貨を一括りに扱うのは今週も危険でした。

🇬🇧 GBP(英ポンド)── 4位 / +0.0060

前週2位 → 今週4位(-2)

前週2位から4位(+0.0060)へ-2ランク後退。指数は+0.0060とほぼゼロで、プラス圏をかろうじて維持した水準です。GBP/JPY(+0.821%、今週最大の上昇率)で円に対しては大きく買われたものの、これは円の弱さによる面が強く、NZD・CADといった上位通貨には劣後しました。前週まで2週連続で2位につけていた勢いは一服し、上位争いから一歩後退した形です。

GBPの過去7週推移は「3→2→7→3→2→2→4」。2位前後で推移する週が多く、今週の4位は小幅な調整の範囲内です。指数がほぼゼロという点では、方向感を欠いた一週でした。

🇪🇺 EUR(ユーロ)── 5位 / -0.1940

前週6位 → 今週5位(+1)

前週6位から5位(-0.1940)へ1ランク上昇したものの、指数はマイナス圏にとどまりました。EUR/JPY(+0.667%、今週3位の上昇率)で円に対して上昇した一方、EUR/NZD(-1.071%)ではNZドルに大きく劣後。上位の資源国通貨には勝てず、弱い円やスイスフランには勝つという中位の立ち位置です。ECBの緩和的な政策スタンスが引き続きユーロの重しとなっています。

EURの過去7週推移は「5→3→4→6→5→6→5」と、一貫して中位(3〜6位)を推移。方向感の乏しい展開が続いており、相場の主役から外れた状態です。

🇨🇭 CHF(スイスフラン)── 6位 / -0.2492

前週8位 → 今週6位(+2)

前週の最弱8位から6位(-0.2492)へ+2ランク回復しましたが、依然マイナス圏です。CAD/CHF(+0.813%)、AUD/CHF(+0.215%)と資源国通貨に対しては売られた一方、円(8位)よりは上位を確保しました。リスク選好が続く地合いでは安全通貨としての需要が高まりにくく、CHFは下位圏での推移が続いています。前週の最弱からは脱したものの、本格的な回復には至っていません。

CHFの過去7週推移は「6→7→6→5→3→8→6」と、5〜8位の下位圏での往復が中心。リスクオフへの転換がない限り、上位復帰は難しい環境が続きそうです。

🇺🇸 USD(米ドル)── 7位 / -0.4376

前週5位 → 今週7位(-2)

前週5位から7位(-0.4376)へ-2ランク下落。USD/NZD(-1.366%、今週2位の下落率)でNZドルに大きく売られ、資源国通貨に対して劣後しました。一方でUSD/JPY(+0.421%)では円に対して上昇しており、「円よりは強いが、それ以外には弱い」という下位の立ち位置です。FRBの利下げ観測がドルの重しとなる一方、対円では金利差が意識されるという、方向感の分かれる展開でした。

USDの過去7週推移は「1→5→1→1→7→5→7」と、首位と下位を激しく往復。今週は7位と下位に沈みましたが、この乱高下パターンが続く限り、ドルの方向性に賭けたポジションはリスクが高い状態です。

🇯🇵 JPY(円)── 8位 / -0.9248

前週7位 → 今週8位(-1)

前週7位から最弱8位(-0.9248)へ転落しました。GBP/JPY(+0.821%、今週最大の上昇率)、EUR/JPY(+0.667%)、USD/JPY(+0.421%)と対円ペアが軒並み上昇し、JPY/NZD(-1.772%、今週最大の下落率)、JPY/CAD(-1.360%)では円が大きく売られました。TOP5・BOTTOM3を合わせて5ペアが円安を示しており、実質的に全方位に近いJPY安です。日銀の緩和維持観測と内外金利差が、円売りを継続させています。

JPYの過去7週推移は「2→4→3→4→6→7→8」と、6月半ば以降は一貫して順位を下げ続けています。振り子的な往復ではなく一方向の弱含みで、円安トレンドの定着が意識される展開です。

資源国通貨グループ(NZD・CAD・AUD)── 上位3つを独占

グループ平均 +0.60

NZD(1位+1.1204)、CAD(2位+0.6490)、AUD(3位+0.0302)が上位3つを独占し、今週の最強グループを形成しました。ただしグループ内の差は大きく、NZDとAUDの指数差は1.09ポイント。NZDが単独で突出し、CADが続き、AUDはほぼゼロという序列です。リスク選好が続くなかで資源国通貨に資金が向かった一方、同じグループ内でも選別が進んでいることがうかがえます。

資源国通貨の上位独占は、6月の「オセアニア総崩れ」から大きく様変わりした構図です。NZD・CADが牽引する一方、AUDが伸び悩んでいる点は、来週以降のグループ内の力関係を見るうえで重要な手掛かりになります。

欧州グループ(GBP・EUR・CHF)── 4〜6位に固まる

グループ平均 -0.15

GBP(4位+0.0060)、EUR(5位-0.1940)、CHF(6位-0.2492)が4〜6位に並び、欧州通貨がまとまって中位を形成しました。GBPがかろうじてプラス圏、EUR・CHFはマイナス圏という僅差の序列で、3通貨の指数差は0.26ポイントと小さくまとまっています。資源国通貨には劣後する一方、USD(7位)・JPY(8位)よりは上位を確保。前週まで上位にいたGBPが4位へ後退したことで、欧州通貨全体が中位に収れんした格好です。

欧州3通貨が4〜6位で固まるのは珍しい構図。個別の材料よりも、資源国通貨高と円安という大きな流れのなかで、相対的に埋没した一週といえます。

安全通貨・基軸通貨グループ(USD・JPY)── そろって下位に沈む

グループ平均 -0.68

USD(7位-0.4376)とJPY(8位-0.9248)が下位2つを占め、基軸通貨と安全通貨がそろって沈みました。USD/JPY(+0.421%)ではドルが円に対して優位を保ったものの、両通貨ともNZD・CADといった資源国通貨に対しては大きく売られています。リスク選好が続く地合いでは、安全資産としての需要が高まりにくく、金利差を意識した資金の流れが円売り・ドル売りにつながりました。CHF(6位)も含めれば、安全通貨とされる3通貨がすべて下位圏に沈んだ一週です。

安全通貨・基軸通貨の下位集中は、リスク選好の強さを示す一方、センチメントが反転した際には急激な巻き戻しが起こりやすい状態でもあります。特に円は5ペアで円安を示しており、ポジションの偏りには注意が必要です。
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