2026年7月17日〜7月24日(週次レポート)

通貨強弱ファンダメンタルズ分析
──米ドルが7位から首位へ+6ランク大逆転、NZドルの「トレンド化」は3週で崩壊

米ドル(USD)が前週7位から首位へ+6ランクの大逆転を果たしました。強弱指数は-0.4376から+0.7422へ1.18ポイント改善し、USD/CHF(+1.351%)、USD/GBP(+0.977%)、USD/NZD(+0.900%)、USD/JPY(+0.886%)と、対豪ドル(-0.021%)を除く6ペアすべてで上昇する「ほぼ完璧な全方位型USD高」でした。一方、3週連続で首位を守り前回「振り子が止まりトレンド化の兆し」と評したNZドル(NZD)は6位(-0.3032)へ-5ランク転落。前回記事で付記した「安定が現れた直後に急反転する」という警告が、そのまま現実になっています。さらに豪ドル(AUD)は全7通貨に勝つ「完璧な全方位型AUD高」を達成しながら、首位USDとの差はわずか0.0034ポイントの2位。スイスフラン(CHF)は2週間で2度目となる完璧な全方位型CHF安で最弱に沈みました。

順位 通貨 強弱指数 前週 可視化
1 🇺🇸 USD +0.7422 7位
2 🇦🇺 AUD +0.7388 3位
3 🇨🇦 CAD +0.1220 2位
4 🇪🇺 EUR +0.0918 5位
5 🇯🇵 JPY -0.2748 8位
6 🇳🇿 NZD -0.3032 1位
7 🇬🇧 GBP -0.3405 4位
8 🇨🇭 CHF -0.7762 6位
順位ペア変化率方向
1AUD/CHF+1.376%AUD2位 / CHF最弱
2USD/CHF+1.351%USD首位 / CHF最弱
3USD/GBP+0.977%USD首位 / GBP7位
4AUD/NZD+0.925%AUD2位 / NZD6位
5USD/NZD+0.900%USD首位 / NZD6位
順位ペア変化率方向
最下位GBP/AUD-0.910%GBP7位 / AUD2位
-2JPY/AUD-0.908%JPY5位 / AUD2位
-3EUR/AUD-0.536%EUR4位 / AUD2位
TOP5にUSDが3件、BOTTOM3にAUDが3件──「ドル買い・豪ドル買い」の二本柱:TOP5のうち3ペアが分子USD(USD/CHF +1.351%、USD/GBP +0.977%、USD/NZD +0.900%)で米ドルが幅広く買われ、BOTTOM3は3ペアすべてが分母AUD(GBP/AUD -0.910%、JPY/AUD -0.908%、EUR/AUD -0.536%)で豪ドルが買われました。USDは対AUD(USD/AUD -0.021%)を除く6ペアすべてで上昇、AUDは全7ペアで勝利しており、最強2通貨がそろって全方位型という構図です。反対にCHFはX/CHF全6ペアが上昇、CHF/NZD(-0.434%)も下落と全7通貨に敗北し、2週間で2度目の「完璧な全方位型CHF安」となりました。

① 米ドルが7位から首位へ+6ランク大逆転──金利上昇とドル全面高

USDが前週7位から首位(+0.7422)へ+6ランクの大逆転を演じました。強弱指数は-0.4376から+0.7422へ1.18ポイントの改善です。背景には米10年国債利回りの4.68%への上昇があり、金利差を意識した資金がドルに向かいました。変化率でもUSD/CHF(+1.351%、今週2位の上昇率)、USD/GBP(+0.977%)、USD/NZD(+0.900%)、USD/JPY(+0.886%)とドル絡みのペアが軒並み上昇。USD/JPYは163.791円まで水準を切り上げ、164円が視野に入っています。

USDが唯一勝てなかったのはUSD/AUD(-0.021%)のみで、それも0.02%というほぼ引き分けの水準です。実質的には「ほぼ完璧な全方位型USD高」で、6月下旬に見られたドル独歩高の再現といえます。ただし当サイトの経験則では、+6ランクという極端な逆転の直後こそ振り子の反動が出やすい点にも注意が必要です。

② 豪ドルは全7通貨に勝ちながら2位──0.0034ポイントの僅差

AUDは前週3位から2位(+0.7388)へ上昇し、変化率ではAUD/CHF(+1.376%、今週最大の上昇率)、AUD/NZD(+0.925%)、AUD/CAD(+0.496%)が上昇、GBP/AUD(-0.910%)、JPY/AUD(-0.908%)、EUR/AUD(-0.536%)、USD/AUD(-0.021%)が下落と、全7ペアで勝利する「完璧な全方位型AUD高」を達成しました。それにもかかわらず順位は2位で、首位USDとの差はわずか0.0034ポイント。WTI原油が週間+8.27%と急騰し一時93.50ドルを付けたことが、資源国通貨である豪ドルを押し上げたとみられます。

「全方位型で勝ったのに首位ではない」という珍しい構図です。AUDが全通貨に勝ちながらUSDに0.0034ポイント届かなかったのは、USDの勝ち幅(対CHF +1.351%、対GBP +0.977%)がAUDの勝ち幅を上回ったため。順位だけを見るとUSDの独り勝ちに見えますが、中身では豪ドルのほうが「取りこぼしゼロ」という点は押さえておきたいところです。

③ NZドルの「トレンド化」は3週で崩壊──前回の警告が的中

3週連続で首位を守り、指数も+1.1204まで拡大していたNZDが、今週は6位(-0.3032)へ-5ランク転落しました。前回の記事では「振り子相場が止まりトレンドが形成されつつあるサインかもしれない」としつつ、「こうした『安定』が現れた直後に急反転するケースも繰り返されてきた」と付記しましたが、まさにその通りの結果です。変化率ではAUD/NZD(+0.925%)、USD/NZD(+0.900%)とX/NZDが上昇上位に並び、NZドルが幅広く売られました。

NZDの過去7週推移は「1→8→8→1→1→1→6」。6月の激しい往復、7月前半の3週連続首位を経て、今週ふたたび下位へ。「2週連続上位=安定」も「3週連続首位=トレンド」も、当サイトでは幻想であることが繰り返し証明されています。安定を確認してから追随する戦略は、この相場では機能しにくい状態が続いています。

④ スイスフランが2週間で2度目の完璧な全方位安

CHFが前週6位から最弱8位(-0.7762)へ-2ランク下落しました。AUD/CHF(+1.376%)、USD/CHF(+1.351%)、EUR/CHF(+0.745%)、CAD/CHF(+0.672%)、JPY/CHF(+0.483%)、GBP/CHF(+0.372%)とX/CHFの全6ペアが上昇し、さらにCHF/NZD(-0.434%)も下落。全7通貨に敗北する「完璧な全方位型CHF安」で、7月10日週(fx-strength-28)に続き2週間で2度目です。USD/CHF・EUR/CHFはいずれも75日高値を更新しており、スイスフラン売りが単発ではなく継続していることを示しています。

CHFの過去7週推移は「7→6→5→3→8→6→8」で、7月に入ってから8位・6位・8位と最下位圏に定着しつつあります。安全通貨としての需要が乏しい地合いが続く一方、同じ安全通貨とされる円が今週5位まで浮上したのとは対照的です。「安全通貨」を一括りにできない週でした。

🇺🇸 USD(米ドル)── 1位 / +0.7422

前週7位 → 今週1位(+6)

前週7位から首位へ+6ランクの大逆転。指数も-0.4376から+0.7422へ1.18ポイント改善しました。USD/CHF(+1.351%)、USD/GBP(+0.977%)、USD/NZD(+0.900%)、USD/JPY(+0.886%)、USD/EUR(+0.583%)、USD/CAD(+0.519%)と6ペアで上昇し、唯一USD/AUD(-0.021%)のみわずかに下落。米10年国債利回りの4.68%への上昇が、金利差を意識したドル買いを促しました。USD/JPYは163.791円で75日高値圏、164円が目前です。

USDの過去7週推移は「5→1→1→7→5→7→1」。首位と下位圏を激しく往復するパターンが続いており、今週の首位も「定着」と見るのは早計です。過去には首位の翌週に急落するケースが繰り返されてきました。

🇦🇺 AUD(豪ドル)── 2位 / +0.7388

前週3位 → 今週2位(+1)

前週3位から2位(+0.7388)へ1ランク上昇。指数は+0.0302から+0.7388へ0.71ポイント改善し、前週の「順位は3位でも指数はほぼゼロ」という状態から一変しました。AUD/CHF(+1.376%、今週最大の上昇率)、AUD/NZD(+0.925%)、AUD/CAD(+0.496%)で上昇し、GBP/AUD(-0.910%)、JPY/AUD(-0.908%)、EUR/AUD(-0.536%)、USD/AUD(-0.021%)で他通貨を退けました。全7ペア勝利の完璧な全方位型AUD高です。WTI原油の週間+8.27%急騰が資源国通貨を支えました。

AUDの過去7週推移は「6→2→7→4→4→3→2」。今週は全方位型の勝利ながら首位に0.0034ポイント届かず。先週まで「NZDとの連動が薄れている」と指摘してきましたが、今週はAUD/NZD +0.925%とオセアニア内で完全に明暗が分かれました。

🇨🇦 CAD(カナダドル)── 3位 / +0.1220

前週2位 → 今週3位(-1)

前週2位から3位(+0.1220)へ1ランク後退。指数も+0.6490から+0.1220へ0.53ポイント縮小しました。CAD/CHF(+0.672%)、CAD/NZD(+0.369%)で上昇した一方、USD/CAD(+0.519%)、AUD/CAD(+0.496%)ではドル・豪ドルに劣後。原油が週間+8.27%と急騰したにもかかわらず、産油国通貨のカナダドルは3位止まりで、恩恵は同じ資源国通貨のAUDほど大きくありませんでした。

CADの過去7週推移は「8→5→2→8→3→2→3」。原油高がそのままカナダドル高につながらなかった点は、6月までの「原油=CAD」という単純な連動が弱まっている可能性を示します。今週は原油よりも金利差(ドル買い)が優勢な週でした。

🇪🇺 EUR(ユーロ)── 4位 / +0.0918

前週5位 → 今週4位(+1)

前週5位から4位(+0.0918)へ1ランク上昇し、指数も-0.1940からプラス圏へ転じました。EUR/CHF(+0.745%)、EUR/GBP(+0.395%)、EUR/NZD(+0.361%)、EUR/JPY(+0.301%)で上昇した一方、USD/EUR(+0.583%)、EUR/AUD(-0.536%)ではドル・豪ドルに敗北。下位4通貨には勝ち、上位3通貨には負けるという、中位の立ち位置を数字通りに体現した一週です。

EURの過去7週推移は「3→4→6→5→6→5→4」と、3〜6位のレンジをひたすら往復。ECBの緩和的スタンスが上値を抑える構図に変化はなく、今週も相場の主役ではありませんでした。ただしプラス圏回帰は7月10日週以来です。

🇯🇵 JPY(円)── 5位 / -0.2748

前週8位 → 今週5位(+3)

前週の最弱8位から5位(-0.2748)へ+3ランク回復しました。指数も-0.9248から-0.2748へ0.65ポイント改善。JPY/CHF(+0.483%)でスイスフランに勝ち、GBP/JPY(-0.051%)、JPY/NZD(+0.019%)でも辛うじて優位を確保しました。ただしUSD/JPY(+0.886%)、JPY/AUD(-0.908%)ではドル・豪ドルに大きく売られており、「円が買われた」というより「円より弱い通貨が増えた」ことによる相対的な浮上です。

JPYの過去7週推移は「4→3→4→6→7→8→5」。前回「一方向に弱含み、円安トレンドが定着しつつある」と指摘しましたが、順位こそ+3ランク回復したものの、指数は依然マイナスでUSD/JPYは163.791円と円安水準を更新しています。順位の改善とクロス円の水準は必ずしも一致しない典型例です。

🇳🇿 NZD(ニュージーランドドル)── 6位 / -0.3032

前週1位 → 今週6位(-5)

3週連続首位から6位(-0.3032)へ-5ランク転落。指数は+1.1204から-0.3032へ1.42ポイントの急降下です。AUD/NZD(+0.925%)、USD/NZD(+0.900%)、CAD/NZD(+0.369%)、EUR/NZD(+0.361%)とX/NZDが上昇上位に並び、NZドルが幅広く売られました。勝てたのはGBP/NZD(-0.017%)とCHF/NZD(-0.434%)の2ペアのみで、今週最弱のCHFと7位のGBPに対してのみ優位を保った格好です。

NZDの過去7週推移は「1→8→8→1→1→1→6」。前回「トレンド化の兆し」と書いた矢先の-5ランク転落で、「安定を確認してから追随する」戦略の危うさがまた証明されました。同じオセアニア通貨のAUDが完璧な全方位高だったのとは正反対で、AUD/NZD +0.925%がその差を象徴しています。

🇬🇧 GBP(英ポンド)── 7位 / -0.3405

前週4位 → 今週7位(-3)

前週4位から7位(-0.3405)へ-3ランク下落。USD/GBP(+0.977%、今週3位の上昇率)でドルに大きく売られ、EUR/GBP(+0.395%)でもユーロに劣後しました。GBP/AUD(-0.910%、今週最大の下落率)では豪ドルに敗北。勝てたのはGBP/CHF(+0.372%)、GBP/NZD(-0.017%)、GBP/JPY(-0.051%)で、実質的には最弱CHFに対する優位が中心です。7月前半に2位・2位と上位で安定していた頃の勢いは完全に失われました。

GBPの過去7週推移は「2→7→3→2→2→4→7」。2位圏と7位を往復する不安定な動きで、今週は「4→7」と2週続けて順位を落としています。上位安定と見えた6月末〜7月上旬の姿は、やはり一時的でした。

🇨🇭 CHF(スイスフラン)── 8位 / -0.7762

前週6位 → 今週8位(-2)

前週6位から最弱8位(-0.7762)へ-2ランク下落し、全7通貨に敗北する「完璧な全方位型CHF安」となりました。AUD/CHF(+1.376%)、USD/CHF(+1.351%)、EUR/CHF(+0.745%)、CAD/CHF(+0.672%)、JPY/CHF(+0.483%)、GBP/CHF(+0.372%)とX/CHFの全6ペアが上昇し、CHF/NZD(-0.434%)も下落。7月10日週に続く2度目の完璧な全方位安で、USD/CHF・EUR/CHFは75日高値を更新しています。

CHFの過去7週推移は「7→6→5→3→8→6→8」。7月に入ってからは最下位圏に沈む週が目立ちます。安全通貨としての買い需要が乏しい地合いが続いており、2週間で2度の「完璧な全方位安」は、単発の急落ではなく構造的なフラン売り圧力を示唆します。リスクオフへの転換があれば急反転しうる点は変わりません。

北米グループ(USD・CAD)── 首位と3位、前週の後退から反転

グループ平均 +0.43

USD(1位+0.7422)とCAD(3位+0.1220)が上位に並び、前週「USD 7位・CAD 2位」とばらついていた北米2通貨がそろって上位圏に収まりました。牽引役はUSDで、金利上昇(米10年4.68%)を背景に対CHF・対GBP・対NZDで大幅高。CADは原油急騰の割に伸び悩み、USD/CAD(+0.519%)ではドルに劣後しています。今週の北米は「原油のCAD」ではなく「金利のUSD」が主役でした。

7月3日週には「北米総崩れ」(USD 7位・CAD 8位)だった構図が、3週間でここまで反転しました。ただしUSDの+6ランクは振り子の一種でもあり、この上位が定着するかは来週以降の確認が必要です。

オセアニアグループ(AUD・NZD)── 2位と6位に完全分裂

グループ平均 +0.22

AUD(2位+0.7388)とNZD(6位-0.3032)の指数差は1.04ポイントに達し、オセアニア通貨が完全に分裂しました。AUD/NZD(+0.925%)は今週4位の上昇率で、豪ドルがNZドルに対して明確に優位。AUDが全7通貨に勝つ完璧な全方位高だったのに対し、NZDは5通貨に敗北しています。6月の「オセアニア総崩れ」(両通貨そろって下位)とも、7月前半の「NZD首位・AUD中位」とも異なる新しい構図です。

「オセアニア通貨」という括りは今週も機能しませんでした。同じ資源国・高ベータ通貨でありながら、指数差1.04ポイント・順位差4という開き。AUD/NZDは今後もオセアニア内の力関係を測る重要なペアです。

欧州グループ(EUR・GBP・CHF)── 4位・7位・8位に散らばり総崩れ

グループ平均 -0.34

EUR(4位+0.0918)、GBP(7位-0.3405)、CHF(8位-0.7762)と、欧州3通貨のうち2つが下位2席を占めました。前週は「GBP 4位・EUR 5位・CHF 6位」と4〜6位に固まっていましたが、今週はEURのみ辛うじてプラス圏を維持し、GBP・CHFが揃って沈む格好に。USD/GBP(+0.977%)、USD/CHF(+1.351%)とドルに対する敗北が目立ち、ドル全面高の裏側で最も割を食ったのが欧州通貨でした。

欧州通貨のグループ平均-0.34は、今週の3グループ中で唯一のマイナスです。金利差でドルに劣後し、資源価格の恩恵も受けられないという二重の逆風。EURの4位も「積極的に買われた」というより「GBP・CHFより落ち方が小さかった」結果にすぎない点には注意が必要です。
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