円(JPY)の強弱指数が+2.9756に達し、これまでの記録だった+2.0274(NZD・5月29日)を大幅に更新しました。当サイトの記録上、正負を問わず過去最大の絶対値です。円は他の7通貨すべてに勝つ「完璧な全方位型JPY高」で、変化率もJPY/AUD(+3.583%)を筆頭に上位4ペアと下位3ペアの計7枠をすべて円絡みが独占。一方、前週に首位だった米ドル(USD)は最弱8位(-1.4763)へ-7ランクの大暴落を喫し、こちらも7ペア全敗の「完璧な全方位型USD安」でした。USD/JPYは163.791円から157.538円へ-3.818%(-6.25円)の急落。起点は7月30日・31日の2度にわたる日本当局の円買い介入観測で、31日にはNY連銀が米大手銀にレートチェックを実施したとの報道も流れました。米10年国債利回りは29日のFOMC(据え置き+タカ派声明)を受けて4.74%へ上昇し100日高値を更新しており、金利差では説明できない円買いです。前号で「+6ランクという極端な逆転の直後こそ振り子の反動が出やすい」と記しましたが、その反動は史上最大級の形で現れました。
| 順位 | 通貨 | 強弱指数 | 前週 | 可視化 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 🇯🇵 JPY | +2.9756 | 5位 ⬆ | |
| 2 | 🇳🇿 NZD | +0.3592 | 6位 ⬆ | |
| 3 | 🇪🇺 EUR | +0.0619 | 4位 → | |
| 4 | 🇨🇭 CHF | -0.0017 | 8位 ⬆ | |
| 5 | 🇬🇧 GBP | -0.1580 | 7位 ⬆ | |
| 6 | 🇨🇦 CAD | -0.8793 | 3位 ⬇ | |
| 7 | 🇦🇺 AUD | -0.8814 | 2位 ⬇ | |
| 8 | 🇺🇸 USD | -1.4763 | 1位 ⬇ |
| 順位 | ペア | 変化率 | 方向 |
|---|---|---|---|
| 1 | JPY/AUD | +3.583% | JPY首位 / AUD7位 |
| 2 | JPY/CAD | +3.420% | JPY首位 / CAD6位 |
| 3 | JPY/CHF | +2.564% | JPY首位 / CHF4位 |
| 4 | JPY/NZD | +2.211% | JPY首位 / NZD2位 |
| 5 | EUR/AUD | +0.790% | EUR3位 / AUD7位 |
| 順位 | ペア | 変化率 | 方向 |
|---|---|---|---|
| 最下位 | USD/JPY | -3.818% | USD最弱 / JPY首位 |
| -2 | GBP/JPY | -2.703% | GBP5位 / JPY首位 |
| -3 | EUR/JPY | -2.530% | EUR3位 / JPY首位 |
JPYの強弱指数+2.9756は、これまでの最高記録だった+2.0274(NZD・5月29日)を0.95ポイント上回り、負側の記録-2.2104(NZD・6月5日)と比べても絶対値で最大です。正負を問わず、当サイトの記録上で最も極端な数値となりました。前週5位(-0.2748)からの+4ランク上昇で、指数の改善幅は3.25ポイントに達します。7ペアすべてで勝利しており、単なる対ドルの円高ではなく、文字通りの全面高でした。値動きの起点は明確で、7月30日(木)NY時間の円買い介入観測です。円先物の取引量が急増するなど介入時に特徴的な商いが確認され、同日には米財務長官が「円は著しく過小評価されている」と発言、韓国当局もドル売り・ウォン買い介入を実施したと報じられました。
前週首位だったUSDが最弱8位(-1.4763)へ-7ランクの大暴落。指数は+0.7422から-1.4763へ2.22ポイントの急降下です。前号では「+6ランクという極端な逆転の直後こそ振り子の反動が出やすい」「来週の注目:米ドルは首位を守れるか──過去の『首位は翌週落ちる』パターンが出るか」と記しましたが、結果は単なる後退ではなく最弱への転落でした。USD/JPY(-3.818%)を筆頭に7ペアすべてで下落し、完璧な全方位型USD安となっています。材料面では、7月29日(水)のFOMCが政策金利を据え置いたうえでウォーシュ議長が即時の利上げに踏み込まなかったこと、7月30日(木)発表の米4-6月期GDP速報値が前期比年率+1.5%と市場予想(+2.0%)を下回ったことがドル売りの下地となり、そこへ介入観測が重なりました。
今週の円高で目を引くのは、米10年国債利回りが4.74%へ上昇し100日高値を更新するなかで起きている点です。通常、米金利の上昇はドル買い・円売り要因ですが、今週はまったく逆の値動きとなりました。USD/JPYは163.791円から157.538円へ-6.25円(-3.818%)の急落で、週次レポートによれば全SMAを下抜け、2021年以降286週で3番目の下落幅です。金利差の外側で働いた力は当局の円買い介入で、7月30日(木)に163円台から158円割れへ、7月31日(金)にも160.88円まで戻したところから157円台へと、2日連続で急落しました。31日にはNY連銀が米大手銀にレートチェックを実施したとの報道が流れ、日米協調の思惑が円買いを加速させています。
今週は主要中銀の決定が集中しました。7月29日(水)のFOMCは政策金利を据え置きましたが、声明のトーンはタカ派と受け止められ、9月16日会合での25bp利上げ確率は63%程度まで織り込まれ、米10年利回りは4.74%へ上昇。7月30日(木)の英中銀(BOE)は政策金利3.75%を5会合連続で据え置き、9名中3名が4.00%への利上げを主張しました。7月31日(金)の日銀は政策金利1.00%を8対1で据え置き(高田委員が追加利上げを主張)、植田総裁は基調的な物価上昇率について「2%目標を上振れするリスクがある」と述べ、利上げペースの加速もありうるとの見方を示しています。なお前週7月23日のECBは全会一致で据え置き、エネルギーショックの影響を指摘したことから9月利上げ観測が広がりました。
前週に全7通貨へ勝利する「完璧な全方位型AUD高」を達成したAUDが、今週は7位(-0.8814)へ-5ランク転落しました。JPY/AUD(+3.583%、今週最大の上昇率)で円に大きく売られ、AUD/NZD(-1.045%)、AUD/CHF(-0.814%)でも劣後。勝てたのはAUD/CAD(+0.070%)とUSD/AUD(-0.545%)の2ペアのみです。豪ドル固有の材料としては、7月29日(水)発表の豪4-6月期CPIが市場予想を下振れし、それまで優勢だったRBAの追加利上げ織り込みが後退したことが効きました(AUD/JPYは一時110.90円まで急落)。前週のUSD(首位→最弱)と合わせ、全方位型で勝った通貨が翌週に崩れるケースが2週連続で発生しています。
来週最大の注目は8月7日(金)の米7月雇用統計です。雇用者数の底堅さや平均時給の伸びが確認されれば9月利上げ観測が強まりドル買い要因、逆に鈍化すれば追加利上げ観測が後退しドル売り要因となります。先行指標として8月5日(水)の米7月ADP雇用統計(予想+7.5万人、前回+9.8万人)、週初には8月3日(月)の米7月ISM製造業景気指数と中国7月製造業PMIが控えます。円サイドでは8月5日(水)の日本6月実質賃金、オセアニアではNZ4-6月期雇用統計(8月5日)と豪貿易収支(8月6日)が予定されています。
前週5位から首位へ+4ランク上昇し、指数+2.9756は当サイト記録上の過去最高です。JPY/AUD(+3.583%)、JPY/CAD(+3.420%)、JPY/CHF(+2.564%)、JPY/NZD(+2.211%)が上昇上位を占め、USD/JPY(-3.818%)、GBP/JPY(-2.703%)、EUR/JPY(-2.530%)が下落上位に並ぶ完璧な全方位型JPY高。2位のNZD(+0.3592)との差は2.62ポイントで、他を寄せ付けない単独首位でした。材料は明確で、7月30日(木)・31日(金)の円買い介入観測が起点。31日の日銀は政策金利1.00%を8対1で据え置いた(高田委員が追加利上げを主張)ものの、植田総裁が「基調的な物価上昇率が2%目標を上振れするリスクがある」「利上げペースの加速もありうる」と述べ、介入と金融政策の両面から円買いが後押しされました。米金利が上昇するなかでの円全面高であり、金利差要因ではなく介入とポジション調整主導の動きです。
前週6位から2位(+0.3592)へ+4ランク上昇しました。AUD/NZD(-1.045%)、CAD/NZD(-1.152%)、USD/NZD(-1.605%)とX/NZDが下落し、豪ドル・カナダドル・米ドルに対して優位を確保。ただしJPY/NZD(+2.211%)では円に大きく売られており、「円以外には強かった」という位置づけです。背景には、前週7月21日に発表されたNZ4-6月期CPIが市場予想を上回り、RBNZの追加利上げ観測が維持されていることがあります。同じオセアニアでも、CPIが上振れたNZDと下振れたAUDで明暗が分かれた週でした。指数+0.3592は首位JPYとの差が2.62ポイントもあり、実質的には円の独走を追いかける2番手にすぎません。
前週4位から3位(+0.0619)へ1ランク上昇し、2週連続でプラス圏を維持しました。EUR/AUD(+0.790%、今週5位の上昇率)、EUR/CAD(+0.786%)で資源国通貨に優位、USD/EUR(-1.376%)では米ドルにも勝利。一方でEUR/JPY(-2.530%)では円に大きく売られています。指数は+0.0619とほぼゼロで、「積極的に買われた」というより、円とNZD以外に大きく負けなかった結果の3位です。前週7月23日のECB理事会が全会一致で政策金利を据え置き、エネルギーショックの影響がまだ完全には表れていないと指摘したことから9月利上げ観測が広がっており、これが下値を支える形になっています。
前週の最弱8位から4位(-0.0017)へ+4ランク回復しました。指数-0.0017はほぼ完全なゼロで、8通貨のなかで最も中立的な位置です。USD/CHF(-1.277%)、CAD/CHF(-0.651%)、AUD/CHF(-0.814%)で米ドル・資源国通貨に勝った一方、JPY/CHF(+2.564%)では円に大きく売られました。2週続いた「完璧な全方位型CHF安」からは脱しましたが、リスクオフ局面でも円ほどには買われていない点が特徴です。今週は7月28日(火)のアジア半導体株の急落でVIXが週内に20.88まで急騰する場面がありましたが、その恐怖局面で買われたのは実質的に円だけ。スイスフランには固有の買い材料が乏しく、円買いは介入という別の力学で動いていたことがうかがえます。
前週7位から5位(-0.1580)へ+2ランク回復。USD/GBP(-1.183%)で米ドルに勝ち、GBP/CAD(+0.608%)、GBP/AUD(+0.553%)で資源国通貨にも優位を確保しました。ただしGBP/JPY(-2.703%、今週2位の下落率)では円に大きく売られ、EUR/GBP(+0.188%)でもユーロに小幅劣後。7月30日(木)の英中銀(BOE)は政策金利3.75%を5会合連続で据え置いたものの、採決は6対3で3名が4.00%への利上げを主張する内容となり、ポンドの下支え材料となりました。それでも指数はマイナス圏にとどまり、ドル安の恩恵で順位を戻したものの、実体としては弱含みです。
前週3位から6位(-0.8793)へ-3ランク下落。JPY/CAD(+3.420%、今週2位の上昇率)で円に大きく売られ、EUR/CAD(+0.786%)、GBP/CAD(+0.608%)でも欧州通貨に劣後しました。勝てたのはUSD/CAD(-0.531%)とCAD/NZD(-1.152%)の解釈上わずかで、実質的には米ドル相手の1勝のみ。前週は原油急騰でも3位止まりでしたが、今週は原油自体が反落しました。7月27日(月)の米国・イラン双方の攻撃停止報道で地政学リスクが後退し、WTIは週間安値77.78ドルまで急落(週間-5.195%)。原油安と円全面高が重なり、資源国通貨がまとめて売られる展開となりました。
前週2位から7位(-0.8814)へ-5ランク転落。前週は全7通貨に勝つ「完璧な全方位型AUD高」でしたが、今週はJPY/AUD(+3.583%、今週最大の上昇率)で円に大敗し、EUR/AUD(+0.790%)、GBP/AUD(+0.553%)、AUD/NZD(-1.045%)、AUD/CHF(-0.814%)でも劣後。勝てたのはAUD/CAD(+0.070%)とUSD/AUD(-0.545%)の2ペアのみです。指数は+0.7388から-0.8814へ1.62ポイントの急降下でした。豪ドル固有の材料は7月29日(水)の豪4-6月期CPIで、市場予想を下振れる内容だったためRBAの追加利上げ織り込みが後退し、AUD/JPYは一時110.90円まで急落しています。「円全面高」に「金利先高観の剥落」が重なったのが、-5ランク転落の中身です。
前週首位から最弱8位(-1.4763)へ-7ランクの大暴落。USD/JPY(-3.818%、今週最大の下落率)、USD/NZD(-1.605%)、USD/EUR(-1.376%)、USD/CHF(-1.277%)、USD/GBP(-1.183%)、USD/AUD(-0.545%)、USD/CAD(-0.531%)と7ペアすべてで下落し、完璧な全方位型USD安です。指数-1.4763は米ドルにとって記録的な低水準。7月29日(水)のFOMCは据え置きで、声明はタカ派と受け止められて9月利上げ確率63%が織り込まれ米10年利回りは4.74%・100日高値まで上昇しましたが、ウォーシュ議長が会見で即時の利上げに踏み込まなかったこと、7月30日(木)の米4-6月期GDP速報値が+1.5%(予想+2.0%)と下振れしたことがドル売りの下地となりました。そこへ円買い介入とNY連銀のレートチェック報道が重なり、金利上昇下でのドル全面安という組み合わせが生まれています。
JPY(1位+2.9756)とCHF(4位-0.0017)で、グループ平均は+1.49と3グループ中で圧倒的な最強です。ただし中身は極端に偏っており、円が単独で記録的な数値を叩き出した一方、スイスフランは指数ほぼゼロの中立。JPY/CHF(+2.564%、今週3位の上昇率)では円がフランに大きく勝っています。「リスクオフで安全通貨が買われた」という単純な図式では説明できず、買われたのは円だけという構図でした。
EUR(3位+0.0619)、CHF(4位-0.0017)、GBP(5位-0.1580)が3〜5位に並び、欧州3通貨がまとまって中位を形成しました。3通貨の指数差は0.22ポイントと小さく、グループ平均-0.03はほぼゼロ。前週は「4位・7位・8位」と散らばって総崩れでしたが、今週は米ドルと資源国通貨が崩れた分、相対的に順位を回復した形です。積極的に買われたわけではなく、円以外では最も傷が浅かったグループといえます。
USD(8位-1.4763)、AUD(7位-0.8814)、CAD(6位-0.8793)が下位3席を独占し、グループ平均は-1.08と唯一の大幅マイナスです。JPY/AUD(+3.583%)、JPY/CAD(+3.420%)、USD/JPY(-3.818%)と、対円で3通貨そろって大きく売られました。前週は「北米が首位と3位」「AUDが完璧な全方位高」と上位を占めていただけに、わずか1週間での180度の反転です。同じ資源国通貨でもNZDだけは2位に浮上しており、グループ内でも明暗が分かれました。