2026年7月24日〜7月31日(週次レポート)

通貨強弱ファンダメンタルズ分析
──円が+2.9756で過去最高を更新、米ドルは首位から最弱へ-7ランク大暴落

円(JPY)の強弱指数が+2.9756に達し、これまでの記録だった+2.0274(NZD・5月29日)を大幅に更新しました。当サイトの記録上、正負を問わず過去最大の絶対値です。円は他の7通貨すべてに勝つ「完璧な全方位型JPY高」で、変化率もJPY/AUD(+3.583%)を筆頭に上位4ペアと下位3ペアの計7枠をすべて円絡みが独占。一方、前週に首位だった米ドル(USD)は最弱8位(-1.4763)へ-7ランクの大暴落を喫し、こちらも7ペア全敗の「完璧な全方位型USD安」でした。USD/JPYは163.791円から157.538円へ-3.818%(-6.25円)の急落。米10年国債利回りが4.74%へ上昇し100日高値を更新するなかでの円全面高であり、金利差だけでは説明しにくい巻き戻しが起きています。前号で「+6ランクという極端な逆転の直後こそ振り子の反動が出やすい」と記しましたが、その反動は史上最大級の形で現れました。

順位 通貨 強弱指数 前週 可視化
1 🇯🇵 JPY +2.9756 5位
2 🇳🇿 NZD +0.3592 6位
3 🇪🇺 EUR +0.0619 4位
4 🇨🇭 CHF -0.0017 8位
5 🇬🇧 GBP -0.1580 7位
6 🇨🇦 CAD -0.8793 3位
7 🇦🇺 AUD -0.8814 2位
8 🇺🇸 USD -1.4763 1位
順位ペア変化率方向
1JPY/AUD+3.583%JPY首位 / AUD7位
2JPY/CAD+3.420%JPY首位 / CAD6位
3JPY/CHF+2.564%JPY首位 / CHF4位
4JPY/NZD+2.211%JPY首位 / NZD2位
5EUR/AUD+0.790%EUR3位 / AUD7位
順位ペア変化率方向
最下位USD/JPY-3.818%USD最弱 / JPY首位
-2GBP/JPY-2.703%GBP5位 / JPY首位
-3EUR/JPY-2.530%EUR3位 / JPY首位
TOP5・BOTTOM3の8枠のうち7枠を円絡みが独占──完璧な全方位型JPY高:上昇上位はJPY/AUD(+3.583%)、JPY/CAD(+3.420%)、JPY/CHF(+2.564%)、JPY/NZD(+2.211%)と分子JPYが4件、下落上位はUSD/JPY(-3.818%)、GBP/JPY(-2.703%)、EUR/JPY(-2.530%)と分母JPYが3件。円は7ペアすべてで勝利し、完璧な全方位型JPY高です。反対に米ドルはUSD/JPY(-3.818%)、USD/NZD(-1.605%)、USD/EUR(-1.376%)、USD/CHF(-1.277%)、USD/GBP(-1.183%)、USD/AUD(-0.545%)、USD/CAD(-0.531%)と7ペア全敗の完璧な全方位型USD安。最強と最弱が双方とも完璧な全方位型という構図は、fx-strength-30(USDとCHF)に続き2週連続です。

① 円の強弱指数+2.9756──当サイト記録上の過去最高を大幅更新

JPYの強弱指数+2.9756は、これまでの最高記録だった+2.0274(NZD・5月29日)を0.95ポイント上回り、負側の記録-2.2104(NZD・6月5日)と比べても絶対値で最大です。正負を問わず、当サイトの記録上で最も極端な数値となりました。前週5位(-0.2748)からの+4ランク上昇で、指数の改善幅は3.25ポイントに達します。7ペアすべてで勝利しており、単なる対ドルの円高ではなく、文字通りの全面高でした。

これまで「±2を超える指数は単なる振り子反動を超えた強い動意」として扱ってきましたが、今週の+2.9756はその基準すら大きく上回ります。振り子の振れ幅は6月に一度収束したのち、7月を通じて再拡大し、今週ついに過去最大へ到達しました。「相場の荒れは沈静化した」という見立ては、あらためて否定された形です。

② 米ドルが首位から最弱へ-7ランク──前号の警告どおりの反動

前週首位だったUSDが最弱8位(-1.4763)へ-7ランクの大暴落。指数は+0.7422から-1.4763へ2.22ポイントの急降下です。前号では「+6ランクという極端な逆転の直後こそ振り子の反動が出やすい」「来週の注目:米ドルは首位を守れるか──過去の『首位は翌週落ちる』パターンが出るか」と記しましたが、結果は単なる後退ではなく最弱への転落でした。USD/JPY(-3.818%)を筆頭に7ペアすべてで下落し、完璧な全方位型USD安となっています。

「首位→最弱」の-7ランクは、fx-strength-23(NZD・6月5日)以来の記録的な暴落幅です。当サイトでは「首位通貨は翌週に順位を落とす」という傾向を繰り返し確認してきましたが、今回はその最も極端な形となりました。首位というポジションは、この相場では安全地帯ではありません。

③ 金利差では説明できない円買い──ポジション巻き戻しの可能性

今週の円高で目を引くのは、米10年国債利回りが4.74%へ上昇し100日高値を更新するなかで起きている点です。通常、米金利の上昇はドル買い・円売り要因ですが、今週はまったく逆の値動きとなりました。USD/JPYは163.791円から157.538円へ-6.25円(-3.818%)の急落で、週次レポートによれば全SMAを下抜け、2021年以降286週で3番目の下落幅です。金利差では説明しにくいこの動きは、積み上がっていた円売りポジションの巻き戻しが主因とみられます。

円は7月10日週から7月17日週にかけて最弱に沈み、クロス円は軒並み高値圏にありました。一方向に積み上がったポジションほど、巻き戻しの際の値幅が大きくなるという典型例です。日銀の政策姿勢に関する観測も含め、今後の材料次第では振れ幅がさらに拡大する可能性があります。

④ 先週の「完璧な全方位型AUD高」が今週7位へ──2週連続で勝者が転落

前週に全7通貨へ勝利する「完璧な全方位型AUD高」を達成したAUDが、今週は7位(-0.8814)へ-5ランク転落しました。JPY/AUD(+3.583%、今週最大の上昇率)で円に大きく売られ、AUD/NZD(-1.045%)、AUD/CHF(-0.814%)でも劣後。勝てたのはAUD/CAD(+0.070%)とUSD/AUD(-0.545%)の2ペアのみです。前週のUSD(首位→最弱)と合わせ、全方位型で勝った通貨が翌週に崩れるケースが2週連続で発生しました。

「完璧な全方位型で勝った翌週は危険」という新しいパターンが浮かび上がっています。fx-strength-28のNZD(全方位高の翌週に首位陥落)、fx-strength-30のAUD(全方位高の翌週に7位)、そして同じくfx-strength-30のUSD(ほぼ全方位高の翌週に最弱)。圧倒的な強さの直後こそ、反動のリスクが最も高いという点は繰り返し確認しておきたいところです。

🇯🇵 JPY(円)── 1位 / +2.9756

前週5位 → 今週1位(+4)

前週5位から首位へ+4ランク上昇し、指数+2.9756は当サイト記録上の過去最高です。JPY/AUD(+3.583%)、JPY/CAD(+3.420%)、JPY/CHF(+2.564%)、JPY/NZD(+2.211%)が上昇上位を占め、USD/JPY(-3.818%)、GBP/JPY(-2.703%)、EUR/JPY(-2.530%)が下落上位に並ぶ完璧な全方位型JPY高。2位のNZD(+0.3592)との差は2.62ポイントで、他を寄せ付けない単独首位でした。米金利が上昇するなかでの円全面高は、金利差要因ではなくポジション調整主導の動きを示唆します。

JPYの過去7週推移は「3→4→6→7→8→5→1」。6月半ばから一貫して順位を下げ最弱まで沈んだあと、わずか2週で首位へ。前号で「円安トレンドの定着」を論点として扱いましたが、トレンドと見えたものは2週で完全に反転しました。円は5月1日にも+1.1264で首位に立っており、全方位型JPY高は今年2度目です。

🇳🇿 NZD(ニュージーランドドル)── 2位 / +0.3592

前週6位 → 今週2位(+4)

前週6位から2位(+0.3592)へ+4ランク上昇しました。AUD/NZD(-1.045%)、CAD/NZD(-1.152%)、USD/NZD(-1.605%)とX/NZDが下落し、豪ドル・カナダドル・米ドルに対して優位を確保。ただしJPY/NZD(+2.211%)では円に大きく売られており、「円以外には強かった」という位置づけです。指数+0.3592は首位JPYとの差が2.62ポイントもあり、実質的には円の独走を追いかける2番手にすぎません。

NZDの過去7週推移は「8→8→1→1→1→6→2」。3週連続首位からの転落を経て、1週で2位まで戻しました。オセアニア内ではAUD(7位)と明暗が分かれ、AUD/NZD -1.045%が両者の差を象徴しています。

🇪🇺 EUR(ユーロ)── 3位 / +0.0619

前週4位 → 今週3位(+1)

前週4位から3位(+0.0619)へ1ランク上昇し、2週連続でプラス圏を維持しました。EUR/AUD(+0.790%、今週5位の上昇率)、EUR/CAD(+0.786%)で資源国通貨に優位、USD/EUR(-1.376%)では米ドルにも勝利。一方でEUR/JPY(-2.530%)では円に大きく売られています。指数は+0.0619とほぼゼロで、「積極的に買われた」というより、円とNZD以外に大きく負けなかった結果の3位です。

EURの過去7週推移は「4→6→5→6→5→4→3」と、一貫して3〜6位の中位圏。方向感を欠いた展開が続いていますが、円全面高・ドル全面安という荒れた週に順位を上げた点は、消去法的な受け皿になったことを示します。

🇨🇭 CHF(スイスフラン)── 4位 / -0.0017

前週8位 → 今週4位(+4)

前週の最弱8位から4位(-0.0017)へ+4ランク回復しました。指数-0.0017はほぼ完全なゼロで、8通貨のなかで最も中立的な位置です。USD/CHF(-1.277%)、CAD/CHF(-0.651%)、AUD/CHF(-0.814%)で米ドル・資源国通貨に勝った一方、JPY/CHF(+2.564%)では円に大きく売られました。2週続いた「完璧な全方位型CHF安」からは脱しましたが、リスクオフ局面でも円ほどには買われていない点が特徴です。

CHFの過去7週推移は「6→5→3→8→6→8→4」。今週は安全通貨として買い戻される場面でしたが、指数はゼロ近傍にとどまりました。同じ安全通貨でも、円とスイスフランでは今週の需要の質がまったく異なったことになります。

🇬🇧 GBP(英ポンド)── 5位 / -0.1580

前週7位 → 今週5位(+2)

前週7位から5位(-0.1580)へ+2ランク回復。USD/GBP(-1.183%)で米ドルに勝ち、GBP/CAD(+0.608%)、GBP/AUD(+0.553%)で資源国通貨にも優位を確保しました。ただしGBP/JPY(-2.703%、今週2位の下落率)では円に大きく売られ、EUR/GBP(+0.188%)でもユーロに小幅劣後。指数はマイナス圏にとどまり、ドル安の恩恵で順位を戻したものの、実体としては弱含みです。

GBPの過去7週推移は「7→3→2→2→4→7→5」。2位圏と7位を往復する不安定な動きが続いており、今週の5位も方向感のある回復とは言い難い水準です。

🇨🇦 CAD(カナダドル)── 6位 / -0.8793

前週3位 → 今週6位(-3)

前週3位から6位(-0.8793)へ-3ランク下落。JPY/CAD(+3.420%、今週2位の上昇率)で円に大きく売られ、EUR/CAD(+0.786%)、GBP/CAD(+0.608%)でも欧州通貨に劣後しました。勝てたのはUSD/CAD(-0.531%)とCAD/NZD(-1.152%)の解釈上わずかで、実質的には米ドル相手の1勝のみ。前週は原油急騰でも3位止まりでしたが、今週はリスク回避の流れで資源国通貨がまとめて売られる展開となりました。

CADの過去7週推移は「5→2→8→3→2→3→6」。AUD(-0.8814)との指数差はわずか0.0021ポイントで、6位と7位が事実上の同値です。前週のUSD・AUDの0.0034ポイント差に続き、2週連続で隣接順位が誤差レベルの僅差となりました。

🇦🇺 AUD(豪ドル)── 7位 / -0.8814

前週2位 → 今週7位(-5)

前週2位から7位(-0.8814)へ-5ランク転落。前週は全7通貨に勝つ「完璧な全方位型AUD高」でしたが、今週はJPY/AUD(+3.583%、今週最大の上昇率)で円に大敗し、EUR/AUD(+0.790%)、GBP/AUD(+0.553%)、AUD/NZD(-1.045%)、AUD/CHF(-0.814%)でも劣後。勝てたのはAUD/CAD(+0.070%)とUSD/AUD(-0.545%)の2ペアのみです。指数は+0.7388から-0.8814へ1.62ポイントの急降下でした。

AUDの過去7週推移は「2→7→4→4→3→2→7」。「完璧な全方位型」の翌週に-5ランク転落という、当サイトで繰り返されてきたパターンがまた確認されました。高ベータ通貨である豪ドルは、リスク回避局面で真っ先に売られる側でもあります。

🇺🇸 USD(米ドル)── 8位 / -1.4763

前週1位 → 今週8位(-7)

前週首位から最弱8位(-1.4763)へ-7ランクの大暴落。USD/JPY(-3.818%、今週最大の下落率)、USD/NZD(-1.605%)、USD/EUR(-1.376%)、USD/CHF(-1.277%)、USD/GBP(-1.183%)、USD/AUD(-0.545%)、USD/CAD(-0.531%)と7ペアすべてで下落し、完璧な全方位型USD安です。指数-1.4763は米ドルにとって記録的な低水準。米10年利回りが4.74%へ上昇し100日高値を更新するなかでのドル全面安であり、金利要因では説明できない売りが出ています。

USDの過去7週推移は「1→1→7→5→7→1→8」。首位と下位を極端に往復する動きが続いており、今週はついに最弱まで振れました。前号で首位のUSDについて「定着と見るのは早計」と記した通りの結果です。ドルの方向性に賭けたポジションのリスクの高さが、あらためて示されました。

安全通貨グループ(JPY・CHF)── 円の独走とフランの中立

グループ平均 +1.49

JPY(1位+2.9756)とCHF(4位-0.0017)で、グループ平均は+1.49と3グループ中で圧倒的な最強です。ただし中身は極端に偏っており、円が単独で記録的な数値を叩き出した一方、スイスフランは指数ほぼゼロの中立。JPY/CHF(+2.564%、今週3位の上昇率)では円がフランに大きく勝っています。「リスクオフで安全通貨が買われた」という単純な図式では説明できず、買われたのは円だけという構図でした。

安全通貨を一括りにする見方は今週も機能しませんでした。7月10日週・7月24日週にはCHFが完璧な全方位安で最弱に沈んでおり、フランは安全通貨としての機能をこのところ果たしていません。円独自の需給要因が働いていると考えるのが自然です。

欧州グループ(EUR・CHF・GBP)── 3〜5位に固まる

グループ平均 -0.03

EUR(3位+0.0619)、CHF(4位-0.0017)、GBP(5位-0.1580)が3〜5位に並び、欧州3通貨がまとまって中位を形成しました。3通貨の指数差は0.22ポイントと小さく、グループ平均-0.03はほぼゼロ。前週は「4位・7位・8位」と散らばって総崩れでしたが、今週は米ドルと資源国通貨が崩れた分、相対的に順位を回復した形です。積極的に買われたわけではなく、円以外では最も傷が浅かったグループといえます。

欧州通貨は円全面高の影響をまともに受けており、EUR/JPY(-2.530%)、GBP/JPY(-2.703%)はいずれも下落上位。対円では大きく売られながら、対ドル・対資源国通貨では勝つという中間的な立ち位置でした。

北米・資源国グループ(USD・CAD・AUD)── 下位3席を独占

グループ平均 -1.08

USD(8位-1.4763)、AUD(7位-0.8814)、CAD(6位-0.8793)が下位3席を独占し、グループ平均は-1.08と唯一の大幅マイナスです。JPY/AUD(+3.583%)、JPY/CAD(+3.420%)、USD/JPY(-3.818%)と、対円で3通貨そろって大きく売られました。前週は「北米が首位と3位」「AUDが完璧な全方位高」と上位を占めていただけに、わずか1週間での180度の反転です。同じ資源国通貨でもNZDだけは2位に浮上しており、グループ内でも明暗が分かれました。

米ドル・豪ドル・カナダドルの下位独占は、円買いの受け皿として売られた通貨がどこに集中したかを示しています。とくにAUDとCADは0.0021ポイント差でほぼ同値。リスク回避局面では、高ベータ通貨と資源国通貨がまとめて売られるという基本的な構図が、今週は極端な形で現れました。
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