2026年9月18日〜9月25日(週次レポート)

通貨強弱ファンダメンタルズ分析
──ドルが2週連続で7ペア全勝、豪ドルは雇用統計で0勝7敗

米30年債利回りが9月24日に5.501%と2004年6月以来の水準まで上昇し、米ドルは2週連続で7ペア全勝の完璧な全方位型USD高(+0.9379)で首位を維持しました。反対側は豪ドルで、9月24日の8月雇用統計で失業率が4.6%へ上昇したことをきっかけに0勝7敗(-0.6775)、3位から8位へ-5ランクです。円は9月25日の当局発言で週末に買い戻され、8位から2位へ+6ランク。番狂わせゼロの完全序列は3週連続で、当サイトの記録では初めてです。2位から8位の並びは「対ドルの下げ幅が小さい順」と完全に一致しました。

順位 通貨 強弱指数 前週 可視化
1 🇺🇸 USD +0.9379 1位 →
2 🇯🇵 JPY +0.6508 8位 ⬆
3 🇨🇭 CHF +0.0167 2位 →
4 🇪🇺 EUR -0.0163 5位 →
5 🇳🇿 NZD -0.2067 7位 ⬆
6 🇨🇦 CAD -0.3259 4位 ⬇
7 🇬🇧 GBP -0.3790 6位 →
8 🇦🇺 AUD -0.6775 3位 ⬇
順位ペア変化率方向
1USD/AUD+1.411%USD首位 / AUD最弱
2JPY/AUD+1.141%JPY2位 / AUD最弱
3USD/GBP+1.128%USD首位 / GBP7位
4USD/CAD+1.108%USD首位 / CAD6位
5USD/NZD+1.025%USD首位 / NZD5位
順位ペア変化率方向
最下位GBP/JPY-0.902%GBP7位 / JPY2位
-2AUD/CHF-0.597%AUD最弱 / CHF3位
-3EUR/JPY-0.588%EUR4位 / JPY2位
2位〜8位は「対ドルの下げ幅が小さい順」と完全に一致:各通貨がドルに負けた幅を小さい順に並べると、USD/JPY(+0.265%)→ USD/CHF(+0.790%)→ USD/EUR(+0.839%)→ USD/NZD(+1.025%)→ USD/CAD(+1.108%)→ USD/GBP(+1.128%)→ USD/AUD(+1.411%)。この並びが2位JPY・3位CHF・4位EUR・5位NZD・6位CAD・7位GBP・8位AUDとそのまま重なります。順位表が1つの通貨との勝負で決まる週は3週連続で、fx-37とfx-38は円が物差し、今週はドルが物差しです。
完全序列が3週連続(通算6回目):対7通貨の勝敗はUSD 7勝0敗/JPY 6勝1敗/CHF 5勝2敗/EUR 4勝3敗/NZD 3勝4敗/CAD 2勝5敗/GBP 1勝6敗/AUD 0勝7敗。28ペアに番狂わせはありません。3週続くのは当サイトの記録では初めてです(これまでの最長は2週連続で、fx-32〜33とfx-37〜38)。
TOP5のうち4枠がドル絡み、BOTTOM3は円とフランの買い:上昇上位は「ドル買い」、下落下位は「対円・対フランでの豪ドル・ポンド売り」で、8枠すべてが上位3通貨のどれかを買う方向でした。指数レンジは2.4791ポイントから1.6154ポイントへ縮小し、3週連続で縮んでいます。

① 米30年債利回りが5.501%──2004年以来の水準

9月24日(木)、米30年国債利回りが一時5.501%と2004年6月以来の高水準をつけました。10年債利回りも10ベーシスポイント上昇して5.21%で、2007年以来の水準です。要因はインフレ再燃への警戒、エネルギー価格、国債発行の増加で、長期債ほど売られる形になりました。

前日9月23日(水)の米9月PMI速報値が強く、FRBの追加利上げ観測が維持されたこともドル買いにつながっています。FOMCは9月16日に3.75〜4.00%へ利上げしたばかりで、ドットチャートは年内もう1回を示しています。

先週は「利上げして、さらに続ける」というFOMCの姿勢がドル高の材料でした。今週はそこに長期金利の上昇が加わり、ドルは2週続けて7ペア全勝です。同じ通貨が2週連続で7勝0敗となるのは、fx-36〜37の円に続いて2例目になります。

② 9/24 豪雇用統計──失業率4.6%で豪ドルが全敗

9月24日(木)の豪8月雇用統計は、就業者数が市場予想を上回った一方、失業率は4.5%の予想に対して4.6%へ上昇しました。AUD/USDは0.7018と8月4日以来の安値をつけ、4営業日続落です。

市場は、9月29日のRBA会合での0.25%利上げ(4.60%へ、約92%織り込み)はそのままに、その先の追加利上げ観測を後退させました。豪ドルは7ペアすべてで負け、0勝7敗の完璧な全方位型AUD安です。

先週の豪ドルは「次の利上げが近い通貨」として3位でした。今週動いたのは利上げそのものの確度ではなく、その先のペースの見通しです。9月2日のRBNZ(利上げしたNZドルが最弱)、9月18日の日銀(利上げした円が最弱)に続き、「利上げは織り込み済み、問題はその先」で順位が決まる週が3例目になりました。

③ 9/25 円が急反発──日米の当局発言で5営業日ぶりの上昇

週の前半、ドル円は日銀会合後の円安の流れが続き、2週間ぶりの安値圏まで円が売られました。流れが変わったのは9月25日(金)です。片山財務相が、高市首相との会談でトランプ大統領が円について懸念を示したと明らかにし、円は5営業日ぶりに反発しました。

円は一時1.2%上昇して156.94円、9月7日以来の大きな1日の上昇となり、G10通貨すべてに対して上昇しています。週間ではドル円は157.258円で+0.265%と小幅な円安にとどまりました。

円は対ドル以外の6ペアすべてで勝ち、8位から2位へ+6ランクです。指数は-1.3555から+0.6508へ2.0063ポイント改善しました。160円が視野に入るなかで介入への警戒が高まっており、材料は金利ではなく当局側にあります。

④ 9/23 英PMIが3か月ぶり低水準──ポンドは3か月ぶり安値

9月23日(水)の英9月PMI速報値は、サービス業が51.7(予想52、前月52.5)、総合が51.0(前月53.5)と鈍化しました。S&Pグローバルは、英GDP成長率が4〜6月期の+0.4%から7〜9月期は+0.1%へ減速すると見込んでいます。

9月24日(木)にGBP/USDは1.3215と約3か月ぶりの安値。英10年国債利回りは5.36%付近まで上昇しましたが、ポンド買いにはつながりませんでした。財政への懸念も重しになっています。

11月のBOE利上げは一定の確率で織り込まれています。それでもポンドが1勝6敗なのは、金利が上がった理由が景気の強さではなく財政と物価にあるためです。金利上昇が通貨高に直結しない点は、8月のfx-34で米ドルに起きたことと同じ形です。

⑤ 9/24 SNBは0%据え置き、原油は週間で約7%下落

9月24日(木)のSNBは政策金利を0%に据え置きました。インフレ見通しは2026年0.7%、2027年0.8%、2028年0.8%へそれぞれ引き上げられ、フラン高への介入姿勢を示す表現は和らげられています。市場は12月の利上げをほぼ五分五分、2027年初めまでの利上げを9割超で織り込んでいます。フランは3位で、負けたのはドルと円だけです。

原油は、米国とイランがホルムズ海峡の再開をめぐる段階的な合意を協議していると伝わり、WTIは9月25日に92ドル台前半へ下落、週間では約7%安です。カナダドルは2勝5敗の6位で、原油安が重しになりました。

⑥ 来週の注目材料(9/28〜10/2)

9/29(火)RBA会合:0.25%の利上げ(4.60%へ)が約92%織り込まれています。雇用統計の後だけに、声明とその先の示唆が焦点です。

米国は9/30(水)にADP雇用・4〜6月期GDP確報・個人所得と個人消費、10/1(木)にISM製造業、10/2(金)に9月雇用統計と続きます。ユーロ圏は9月CPIが予定されています。

🇺🇸 USD(米ドル)── 1位 / +0.9379

前週1位 → 今週1位(±0)

2週連続で7ペアすべてに勝利しました。USD/AUD(+1.411%)、USD/GBP(+1.128%)、USD/CAD(+1.108%)、USD/NZD(+1.025%)、USD/EUR(+0.839%)、USD/CHF(+0.790%)、USD/JPY(+0.265%)。

材料は30年債5.501%・10年債5.21%という長期金利の上昇と、9月23日の米PMIの強さです。指数は+1.1236から+0.9379へ小幅に低下しており、勝ち幅は先週より縮んでいます。とくに対円は+0.265%と、7ペアのなかで際立って小さい勝ち方でした。

ドルの過去7週推移は「5→8→1→5→3→1→1」。首位2週連続は、fx-25〜26のドル以来です。ただし2位JPYとの差は0.2871ポイントまで縮んでおり、先週の0.7554ポイントの半分以下です。

🇯🇵 JPY(日本円)── 2位 / +0.6508

前週8位 → 今週2位(+6)

6勝1敗。負けたのはUSD/JPY(-0.265%)だけです。勝ちはJPY/AUD(+1.141%)、JPY/GBP(+0.902%)、JPY/CAD(+0.853%)、JPY/NZD(+0.763%)、JPY/EUR(+0.588%)、JPY/CHF(+0.573%)。

週の前半は日銀会合後の円売りが続きましたが、9月25日(金)に片山財務相がトランプ大統領の円への懸念に言及し、円は5営業日ぶりに反発して一時156.94円をつけました。金融政策の材料は9月18日で出尽くしており、今週の円を動かしたのは為替当局の発言です。

円の過去7週推移は「8→7→3→1→1→8→2」。8位から2位への+6ランクで、指数の振れ幅は2.0063ポイントです。160円に近づくほど当局の発言が出やすくなるという構図が続いており、金利差だけでは説明できない値動きが出やすい位置にあります。

🇨🇭 CHF(スイスフラン)── 3位 / +0.0167

前週2位 → 今週3位(-1)

5勝2敗。負けたのはCHF/USD(-0.790%)とCHF/JPY(-0.573%)で、上位2通貨が相手です。指数+0.0167はほぼゼロで、4位EURとの差は0.0330ポイントしかありません。

9月24日のSNBは0%据え置き。インフレ見通しの引き上げと、フラン高をけん制する表現の後退が同時に出ました。市場は12月の利上げを五分五分程度で見ています。

フランは2週続けて上位3位以内です。ただし今週の中身は「買われた」というより「下位5通貨より売られなかった」という内容で、対ユーロは+0.011%とほぼ動いていません。

🇪🇺 EUR(ユーロ)── 4位 / -0.0163

前週5位 → 今週4位(+1)

4勝3敗。勝ちはEUR/AUD(+0.591%)、EUR/GBP(+0.300%)、EUR/CAD(+0.289%)、EUR/NZD(+0.144%)で、負けはEUR/USD(-0.839%)、EUR/JPY(-0.588%)、EUR/CHF(-0.011%)です。

ユーロは直近7週のうち6週が4位と、順位表の真ん中から動きません。指数もほぼゼロで、ドル高の局面では下げ、円高の局面では負けるという受け身の動きが続いています。来週はユーロ圏の9月CPIが予定されています。

🇳🇿 NZD(NZドル)── 5位 / -0.2067

前週7位 → 今週5位(+2)

3勝4敗で、5週ぶりに下位3通貨から抜けました。勝ちはNZD/AUD(+0.476%)、NZD/GBP(+0.166%)、NZD/CAD(+0.088%)です。

NZD/USDは0.5667へ下げ、6月末以来の安値圏にあります。順位が上がったのはNZドルが買われたからではなく、豪ドルとポンドが大きく下げたためです。RBNZは9月会合で「3.0%までもう0.25%分の余地しかない」という慎重な見通しを示しており、市場は10月28日の利上げを75%以上織り込んでいます。

オセアニア2通貨の順位は5位と8位で、NZドルが豪ドルを上回るのは5週ぶりです。AUD/NZDは-0.476%で、先週までの「豪ドルが上、NZドルが下」という関係が入れ替わりました。

🇨🇦 CAD(カナダドル)── 6位 / -0.3259

前週4位 → 今週6位(-2)

2勝5敗。勝ちはCAD/AUD(+0.277%)とCAD/GBP(+0.044%)だけです。USD/CADは1.4139で+1.108%と、ドルに対して4番目に大きく負けました。

米国とイランがホルムズ海峡の再開を協議していると伝わり、WTIは週間で約7%下落して92ドル台前半へ。産油国通貨にとっては逆風で、原油高が続いた前週までとは反対の形になりました。

🇬🇧 GBP(英ポンド)── 7位 / -0.3790

前週6位 → 今週7位(-1)

1勝6敗。勝ったのはGBP/AUD(+0.250%)だけで、GBP/JPY(-0.902%)は28ペアで最大の下落です。

9月23日の英PMIは総合51.0(前月53.5)、サービス業51.7(予想52)と鈍化し、9月24日にGBP/USDは1.3215と約3か月ぶりの安値をつけました。英10年債利回りは5.36%付近へ上昇していますが、財政と物価を理由とする金利上昇はポンド買いにつながっていません。

ポンドは2週前の2位から6位、7位と2週続けて下げました。9月17日のBOE据え置き(6対3)に景気指標の鈍化が重なり、「利上げが近い通貨」から外れた形です。

🇦🇺 AUD(豪ドル)── 8位 / -0.6775

前週3位 → 今週8位(-5)

0勝7敗の完璧な全方位型AUD安です。AUD/USD(-1.411%相当)、AUD/JPY(-1.141%)、AUD/CHF(-0.597%)、AUD/EUR(-0.591%)、AUD/NZD(-0.476%)、AUD/CAD(-0.277%)、AUD/GBP(-0.250%)。

きっかけは9月24日の8月雇用統計で、就業者数は予想を上回ったものの失業率が4.6%へ上昇。AUD/USDは0.7018と8月4日以来の安値をつけ、4営業日続落しました。9月29日のRBA利上げ自体の織り込みは約92%のまま残っていますが、その先の追加利上げ観測が後退しています。

豪ドルの過去7週推移は「3→3→2→2→6→3→8」。指数は+0.3620から-0.6775へ1.0395ポイント悪化しました。前週に上位3位以内だった通貨が翌週の最弱になるのは、fx-38の円(1位→8位)に続いて2週連続です。

上位2通貨とその他6通貨 ── 断層は2位と3位のあいだ

USD +0.94 / JPY +0.65

2位JPY(+0.6508)と3位CHF(+0.0167)のあいだに0.6341ポイントの断層があります。3位から8位までの6通貨は0.6942ポイント内に収まっており、構図は「抜け出した2通貨+団子の6通貨」です。

指数レンジは1.6154ポイントで、3.3504(fx-37)→2.4791(fx-38)→1.6154と3週連続で縮小しました。上位が抜け出す形は先週と同じですが、抜け出した通貨が1つから2つに増えています。

北米(USD・CAD)── 1位と6位に分裂

グループ平均 +0.31

USD(+0.9379)とCAD(-0.3259)で平均+0.3060。2通貨の差は1.2638ポイントで、金利はドルを押し上げ、原油安はカナダドルを押し下げました。USD/CADは1.4139まで上昇しています。

低金利2通貨(JPY・CHF)── 2位と3位でそろって上位

グループ平均 +0.33

JPY(2位+0.6508)とCHF(3位+0.0167)。5週続いた「順位表の両端に分かれる」状態が終わり、2通貨がそろって上位に並びました。ただし直接対決のJPY/CHFは+0.573%で、円がフランに勝っています。

両者を押し上げた材料は別々です。円は為替当局の発言、フランはSNBの据え置きと他通貨の下落で、「低金利だから同じ動きをする」わけではない点は今週も変わりません。

オセアニア(AUD・NZD)── 5位と8位、順位が入れ替わる

グループ平均 -0.44

NZD(5位-0.2067)とAUD(8位-0.6775)で差は0.4708ポイント。分裂は5週連続ですが、上下が入れ替わりました。豪ドルは雇用統計で追加利上げ観測が後退、NZドルはRBNZの慎重姿勢が続くなかで10月28日の利上げが75%以上織り込まれています。

グループ平均-0.4404は3グループで最下位です。先週は「豪ドルが上、NZドルが下」でしたが、雇用統計ひとつで1週のうちに逆転しました。
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