日米の中央銀行が2日違いでそろって利上げした週でした。先に動いたのは米国で、水曜(9/16)のFOMCは政策金利を0.25%引き上げて3.75〜4.00%へ。2023年以来の利上げで、ウォーシュ議長は「インフレが高すぎる状態が長すぎる」と強調し、ドットチャート(FOMC参加者の金利見通し)は年内もう1回の利上げを示しました。続いて金曜(9/18)、日銀も政策金利を1.25%へ引き上げ、1995年以来31年ぶりの水準です。ところが円は買われませんでした。反対票が2票入ったことで「次の利上げは遠のいた」と受け止められ、ドル円は一時158.051円まで上昇。先週このレポートで「織り込み済みの材料が実現したとき、相場はどちらへ動くか」と書いた問いの答えは「円売り」でした。ドル円は週間+2.136%の156.874円で、週間の上昇率としては2025年10月以来、約11か月ぶりの大きさです。円は3週ぶりに6つの円ペアすべてで全敗し、15ペアの上昇率上位6つをすべて円ペアが独占しました。米10年国債利回りは週間高値5.02%で3週連続の100日間高値更新、2007年以来の高水準です。原油は週初、サウジの東西パイプライン停止とフーシ派の攻撃で週間高値106.75ドルまで上げたあと、サウジの代替輸出とフーシ派への停戦提案で反落しました。暗号資産はビットコインが週間+6.966%で12銘柄最大の上昇、イーサリアムは100日間高値を更新。VIXは週間-6.503%の14.81まで下がりました。来週の日本は9/21〜23が祝日(シルバーウィーク)で、薄商いのなかでの円安と当局の動きに注意が必要です。
ドル円は156.874円で週間+2.136%(+3.280円)と3週ぶりに反発し、15通貨ペアで最大の上昇率となりました。週間始値153.46円・週間安値153.372円から、日銀会合後に週間高値158.051円まで4.7円近く上げています。週間の上昇率としては、2025年10月第2週(+2.53%)以来、約11か月ぶりの大きさです(手元のヒストリカルデータで集計すると、2021年以降の約300週のうち16番目)。先週の週間安値152.89円(=75日間安値)は今週の安値153.372円で守られました。ただし移動平均線は4本すべてがまだ上方で、SMA25(157.245円)・SMA50(159.055円)・SMA100(159.524円)・SMA200(158.396円)。乖離率はSMA25で-0.236%まで縮まり、先週のSMA50乖離-3.825%は-1.371%へ。SMA配列は「混在」です。チャートでは、152〜153円台の底から、陽線が続く形でSMA25のすぐ下まで戻してきたのがわかります。
2週続けて全勝だった円が、今週は6つの円ペアすべてで全敗しました。15ペアの上昇率ランキングは、1位から6位までがすべて円ペアです。上昇率順にCHF/JPY(190.814円、週間+1.483%)、AUD/JPY(111.770円、+1.482%)、CAD/JPY(112.189円、+1.318%)、EUR/JPY(180.212円、+1.163%)、GBP/JPY(210.123円、+1.133%)。ただし週の前半はまだ円高が続いていて、CHF/JPYの週間安値187.824円・EUR/JPYの週間安値177.809円はそのまま75日間安値を更新しています。安値を更新してから切り返した、チャートでいえばV字の底の形です。AUD/JPYは先週割り込んだSMA200(111.059円)を1週で取り返しました。一方、CHF/JPYは戻しても下降パーフェクトオーダー(SMA25 194.266円<SMA50 196.324円<SMA100 198.862円<SMA200 199.501円)が続いており、SMA200乖離率は-5.798%から-4.355%へ縮小。GBP/JPY・EUR/JPY・CHF/JPYは依然として4本すべてのSMAの下です。
EUR/USDは1.1486で週間-0.966%(-0.0112ドル)と、2週続いた小動きから下方向へ動き出しました。週間高値1.1596・週間安値1.1454で、値幅は0.0142ドルと先週(0.0085ドル)の1.7倍です。先週まで上にあったSMA50(1.1535)・SMA100(1.1547)もまとめて割り込み、SMA25(1.1601)・SMA200(1.1628)を含む4本すべてのSMAの下に入りました。SMA200乖離率は-0.286%から-1.214%へ広がっています。チャートでは、週の後半に大陰線で1.15台を割り込んだ形が目立ちます。
GBP/USDは1.3394で週間-0.982%(-0.0133ドル)と、2週連続で15ペア最小の変動だった状態から一転して下げました。週間高値1.3528・週間安値1.3335。先週まで下値の目安だったSMA100(1.3434)・SMA200(1.3451)をまとめて割り込み、SMA25(1.3529)・SMA50(1.3478)も含めて4本すべてのSMAの下へ落ちています。9/17の英中銀は6対3の僅差で据え置き(3人は4.00%への利上げを主張)で、利上げを一部織り込んでいた市場はポンドを売る方向に反応しました。
NZD/USD(0.5725、週間-1.551%)は15通貨ペアで最大の下落となり、4週続落です。週間安値0.5707まで下げ、4本すべてのSMA(0.5877/0.5857/0.5838/0.5854)の下にある状態が2週続いています。SMA25乖離率-2.586%は、下げの勢いがまだ続いていることを示しています。AUD/USD(0.7125、週間-0.633%)は2週続落で、SMA25(0.7154)を割り込みました。SMA50(0.7082)・SMA100(0.7076)・SMA200(0.7010)の上は維持しています。SMA配列は今週上昇パーフェクトオーダー(25>50>100>200)に並びましたが、価格がSMA25の下にあるので、4本すべての上にいる「真のパーフェクトオーダー」ではありません。
USD/CHF(0.8220、週間+0.677%)は2週続伸で、週間高値0.8263がそのまま75日間高値——直近75営業日の最高値を更新しました。4本すべてのSMA(0.8101/0.8107/0.8024/0.7938)の上にあり、SMA200乖離率は+3.558%です。USD/CAD(1.3984、週間+0.844%)は円ペアを除けば15ペアで最大の上昇で、先週取り返したSMA25・SMA200に続きSMA50(1.3948)・SMA100(1.3940)も上抜け、4本すべてのSMAの上に出ました。週間高値は1.4014です。EUR/CHF(0.9437、週間-0.317%)は4週ぶりに反落しましたが、週間高値0.9479はそのまま75日間高値で3週連続の更新。4本すべてのSMA(0.9400/0.9352/0.9267/0.9232)の上で、SMA配列も上昇パーフェクトオーダーのまま、5週連続で15ペア唯一の「真のパーフェクトオーダー」です。
CAD/JPY(112.189円、週間+1.318%)は3週ぶりに反発しましたが、週間安値110.562円は75日間安値110.55円のすぐ上でした。反発しても4本すべてのSMA(113.418/114.027/114.385/114.469)の下にあり、SMA配列が下降パーフェクトオーダー(25<50<100<200)に並んでいます。EUR/AUD(1.6117、週間-0.328%)も下降パーフェクトオーダーが続き、4本すべてのSMA(1.6222/1.6292/1.6319/1.6600)の下。週間安値1.6082は75日間安値1.6077の手前で止まりました。EUR/GBP(0.8575、週間+0.022%)は15ペアで最小の変動で、SMA25(0.8569)・SMA50(0.8553)の上、SMA100(0.8590)・SMA200(0.8639)の下という位置関係は先週と変わりません。
日経平均はCSVのデータ日が9/17(木)で、64,136円・週間-1.738%(-1,135円)です。週間変動は9/10終値(65,271円)との比較で、先週の記事で扱った65,271円がそのまま比較の基準になっています。週間始値64,277円・週間高値64,644円に対して週間安値は62,726円まで下げ、値幅は1,918円。米金利の5%台乗せと、AI開発の減速を求める業界首脳の書簡をきっかけにした半導体株安が重しでした。移動平均線はSMA5(63,810円)の上、SMA25(65,614円)・SMA50(65,693円)の下。レンジ内位置は先週の47.5%から38.8%へ低下し、月間は-4.928%とマイナス幅を広げています。なお、CSVに含まれない9/18(金)は日銀会合後に後場で大きく買われ、前日比+882.70円の65,018.95円で引けました。
NYダウは51,683ドルで週間-1.694%(-891ドル)と4週続落しました。週間始値52,751ドルがそのまま週間高値で、2週連続で「週初が高値」の形です。週間安値は51,187ドル。金曜(9/18)は-95.40ドル(-0.18%)の51,682.64ドルでした。移動平均線はSMA5(51,887ドル)・SMA25(52,919ドル)・SMA50(52,882ドル)の3本すべての下が2週続いており、レンジ内位置は先週の64.0%から49.3%へ、ちょうど100日間レンジの真ん中まで下がってきました。月間は-3.330%です。
米10年国債利回りは5.00%で週間+0.462%(+0.02ポイント)と、数字の上では小幅な上昇でした。ただし週間高値5.02%がそのまま100日間高値で、3週連続で直近100営業日の最高値を更新しています。報道ベースでは9/15に一時5.03%と2007年ごろ以来の水準をつけ、9/17に8営業日ぶりに低下しました。週間安値は4.93%。SMA5(4.98%)・SMA25(4.80%)・SMA50(4.72%)をすべて上回り、レンジ内位置は98.6%から97.4%。月間は+7.415%です。
VIX指数は14.81で週間-6.503%(-1.03ポイント)と、12銘柄のなかで最大の下落率になりました。週間始値17.50から週間高値18.94まで上がる場面もありましたが、週末にかけて下げ、終値14.81がそのまま週間安値です。SMA5(16.45)・SMA25(15.65)・SMA50(16.17)をすべて下回り、レンジ内位置は先週の21.4%から10.6%へ半減。100日間安値13.80に近づいています。
ビットコインは12,693,504円で週間+6.966%(+826,692円)と、12銘柄で最大の上昇率となりました(データ日:9/19)。先週の12銘柄最大の下落(-5.097%)から、1週でほぼ全部を取り返した計算です。週間安値11,623,961円から、終値がそのまま週間高値。データ日の前日比は+6.391%で、9/18の急伸がそのまま反映されています。移動平均線はSMA5(12,063,776円)・SMA25(12,262,454円)・SMA50(11,417,962円)の3本すべての上に戻り、レンジ内位置は先週の69.2%から92.4%へ。100日間高値12,964,102円まではあと2.1%です。
イーサリアムは409,278円で週間+5.505%(+21,356円)と大きく上昇しました(データ日:9/19)。週間高値409,625円がそのまま100日間高値で、直近100営業日の最高値を更新しています。レンジ内位置は先週の86.3%から99.8%——ほぼレンジの天井です。週間安値は365,721円で、値幅は約4.4万円。SMA5(385,850円)・SMA25(387,187円)・SMA50(353,147円)の3本すべての上を維持し、月間は+10.730%です。
WTI原油はCSV上95.47ドル・週間-4.578%(-4.58ドル)で、3週ぶりの下落となりました(データ日:9/18)。週の前半はサウジ東西パイプラインの停止とフーシ派の攻撃で上昇し、週間高値106.75ドルは100日間高値110.93ドルまで4%弱に迫りました。その後、9/16のトランプ大統領の「戦争終結は近い」との示唆、9/17のサウジによるアジア向け追加供給、9/18のフーシ派への停戦提案とパイプライン能力の半分回復見通しと、供給不安を和らげる材料が続いて3日続落しています。SMA5(101.41ドル)を下回り、SMA25(91.10ドル)・SMA50(86.30ドル)の上は維持。レンジ内位置は75.1%から64.8%です。
金は4,415.9ドルで週間+0.159%(+7.0ドル)と、3週ぶりに小幅ながら上昇しました(データ日:9/18)。週の中身は上下に振れていて、9/16のFOMC後にドル高と金利上昇で週間安値4,273.3ドルまで下げたあと、9/17には原油安と金利低下で約2.1%上昇し、週間高値4,439.8ドルまで戻しています。移動平均線はSMA5(4,377.56ドル)を取り返し、SMA50(4,325.07ドル)の上も維持。ただしSMA25(4,491.24ドル)はまだ上方です。レンジ内位置は53.3%から55.6%へわずかに上昇、月間は-2.847%とマイナス幅を広げました。
銀は66.79ドルで週間+3.456%(+2.23ドル)と3週ぶりに上昇し、貴金属3品目で最大の上昇率となりました(データ日:9/18)。週間安値63.02ドルから週間高値67.89ドルまで7.7%の値幅です。先週割り込んだSMA5(64.66ドル)・SMA25(66.19ドル)をまとめて取り返し、SMA50(62.94ドル)と合わせて3本すべてのSMAの上に戻りました。レンジ内位置は29.5%から34.7%へ、月間は+1.599%とプラスに戻っています。
白金は1,804.6ドルで週間+0.619%(+11.1ドル)と3週ぶりに上昇しました(データ日:9/18)。週間高値1,825.8ドル・週間安値1,773.2ドルで、値幅は52.6ドルと先週(145.8ドル)の3分の1ほどに落ち着いています。SMA5(1,785.66ドル)・SMA50(1,734.86ドル)の上、SMA25(1,811.23ドル)のわずかに下。レンジ内位置は40.6%から41.1%、月間は+0.111%です。なおチャートでは、白金は6月以降データが飛び飛びになっている日が多い点にご注意ください。
上海総合は4週連続で終値データが取得できませんでした。週間のレンジは始値3,867.02・高値3,898.84・安値3,842.72で、先週のレンジ(3,916.49〜3,958.12)から上下とも一段切り下がっています。チャートでも、8月以降の3,900〜4,000のもみ合いから下に外れつつある形です。9/15発表の中国8月小売売上高は前年比+0.4%(予想+1.0%)と弱い内容でした。インドSENSEX(74,315、データ日:9/17)は週間-0.785%(-588ポイント)と6週続落。週間安値73,981は100日間安値73,319まであと0.9%、終値からでも1.4%です。SMA5(74,468)・SMA25(76,468)・SMA50(77,053)をすべて下回る状態が4週連続で、レンジ内位置は26.2%から17.1%へ低下、月間は-3.782%です。
チャートをざっくり3グループに分けると——
🟢 上昇したもの:ビットコイン(+6.97%・12,693,504円・12銘柄で最大の上昇・3本すべてのSMAの上へ・レンジ内69.2%→92.4%)、イーサリアム(+5.51%・409,278円・週間高値409,625円が100日間高値を更新・レンジ内99.8%)、銀(+3.46%・66.79ドル・SMA5とSMA25を取り返し3本すべての上へ)、USD/JPY(+2.14%・156.874円・15ペア最大の上昇・週間高値158.051円・約11か月ぶりの上昇幅)、CHF/JPY(+1.48%・週間安値187.824円で75日間安値を更新してから反発・下降パーフェクトオーダーは継続)、AUD/JPY(+1.48%・SMA200を1週で取り返す)、CAD/JPY(+1.32%・反発しても下降パーフェクトオーダー入り)、EUR/JPY(+1.16%・週間安値177.809円で75日間安値を更新してから反発)、GBP/JPY(+1.13%)、USD/CAD(+0.84%・4本すべてのSMAの上へ)、USD/CHF(+0.68%・週間高値0.8263が75日間高値を更新)、白金(+0.62%・1,804.6ドル・値幅は先週の3分の1)、米10年利回り(+0.46%・5.00%・週間高値5.02%で3週連続の100日間高値更新・2007年以来の高水準)、金(+0.16%・4,415.9ドル・SMA50の手前4,273.3ドルで下げ止まり3週ぶりの上昇)、EUR/GBP(+0.02%・15ペア最小の変動)
🔴 下落したもの:VIX(-6.50%・14.81・12銘柄で最大の下落・週間高値18.94から急低下・レンジ内10.6%)、WTI原油(-4.58%・95.47ドル・週間高値106.75ドルから反落・※9/18のデータに不整合あり、報道ベースの10月限清算値は100.30ドル)、日経平均(-1.74%・64,136円・データ日9/17・レンジ内38.8%・9/18は日銀会合後に+882円の65,018円)、NYダウ(-1.69%・51,683ドル・4週続落・2週連続で週初が週間高値・レンジ内49.3%)、NZD/USD(-1.55%・15ペア最大の下落・4週続落)、GBP/USD(-0.98%・英中銀の据え置きで4本すべてのSMAの下へ)、EUR/USD(-0.97%・SMA50・SMA100も割り込み4本すべての下へ)、インドSENSEX(-0.79%・74,315・6週続落・レンジ内17.1%)、AUD/USD(-0.63%・SMA25を割り込む)、EUR/AUD(-0.33%・下降パーフェクトオーダー継続)、EUR/CHF(-0.32%・4週ぶりの反落も週間高値0.9479が3週連続で75日間高値を更新・5週連続で唯一の真のPO)
🟡 方向感を探っている:上海総合(4週連続で終値データが取得できず・週間レンジは3,842.72〜3,898.84と先週より一段切り下がり)
ひと言でまとめると、「日米がそろって利上げ、それでも円は全敗。答えは『織り込み済みの利上げは円買いにならない』だった」という週でした。先週このレポートは、FOMC(9/15〜16)と日銀会合(9/17〜18)が2日違いで連続する週について「織り込み済みの材料が実現したとき、相場はどちらへ動くか」と書きました。FOMCは2023年以来の利上げで3.75〜4.00%、ウォーシュ議長はインフレへの警戒を強調し、ドットチャートは年内もう1回の利上げを示しました。日銀も政策金利を1.25%へ、1995年以来31年ぶりの水準に引き上げましたが、反対2票と「特定の間隔は念頭にない」が「次の利上げは遠い」と受け止められ、ドル円は一時158.051円。週間+2.136%は約11か月ぶりの上昇幅で、円は3週ぶりに6つの円ペアすべてで全敗、15ペアの上昇率上位6つを円ペアが独占しました。ただしドル円は4本すべてのSMAの下、CHF/JPYとCAD/JPYは下降パーフェクトオーダーで、移動平均線の並びはまだ下向きです。ドルは円以外にも強く、EUR/USD・GBP/USDがそろって4本すべてのSMAの下へ、USD/CADは4本すべての上へ、USD/CHFは75日間高値を更新。英中銀は6対3の僅差で据え置き、ポンドが売られました。米10年利回りは週間高値5.02%で3週連続の100日間高値更新、2007年以来の高水準。原油はサウジ東西パイプラインの停止とフーシ派の攻撃で週間高値106.75ドルまで上げたあと、代替輸出・停戦提案・パイプライン復旧見通しで3日続落しました。株式はNYダウが4週続落、日経はデータ日9/17時点で-1.74%でしたが9/18は日銀会合後に+882円。インドSENSEXは6週続落で100日間安値まであと1.4%。一方でリスク資産の一部は強く、ビットコインは+6.97%で12銘柄最大の上昇、イーサリアムは100日間高値を更新し、VIXは-6.50%の14.81まで下がりました。来週の日本は9/21〜23が祝日のシルバーウィークです。東京市場が閉まっているあいだにドル円が200日線(158.396円)を超えて160円方向へ向かうのか、それとも当局のけん制で止まるのか。9/22のトランプ大統領と湾岸諸国首脳の会談、9/24のSNBと合わせて、連休中の動きに注意したい1週間です。
週明けの主役は金利と原油でした。月曜(9/14)、米10年国債利回りが2023年以来はじめて5%を上回り、火曜(9/15)には欧州時間に一時5.03%と2007年ごろ以来の高水準をつけています。背景は原油高によるインフレ懸念と、政府・企業の資金調達(国債や社債の発行)が膨らむことへの警戒です。原油では、9/10にイラク方面から飛来したドローンがサウジの東西パイプライン(ホルムズ海峡を通らずに紅海側へ原油を運ぶルート)のポンプ施設を攻撃し、9/11にサウジがパイプライン全体を停止。さらにイエメンのフーシ派によるサウジ領内への攻撃が続き、9/15にはサウジの主要輸出港ヤンブーを含む6都市に警報が出されました。ホルムズ海峡を避ける「抜け道」まで塞がれた形で、WTIは週間高値106.75ドルをつけています。同じ9/15には米上院で暗号資産の市場構造法案(クラリティ法案)が手続き投票で阻まれ、ビットコインは一時急落しました。
水曜(9/16)のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、全会一致で政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%としました。2023年以来の利上げです。声明は景気が堅調で、インフレは依然として高いと指摘し、今回の利上げを2%目標への「よりタイムリーな回帰」を支えるためのものと説明しています。ウォーシュ議長は会見で「インフレが高すぎる状態が長すぎる」と述べ、インフレが最大の懸念であると強調しました。同時に公表されたドットチャート(参加者の金利見通し)では、年末の政策金利見通しが6月の3.8%から4.1%へ引き上げられ、年内少なくとももう1回の利上げが示されています。同じ日の米8月小売売上高は前月比+1.2%(予想+0.7%)と強く、発表後はドルが主要通貨すべてに対して上昇、ドル円は156円台前半へ。一方で金・原油・株はそろって下落しました。
木曜(9/17)の英中銀(BOE)は政策金利を3.75%に据え置きましたが、6対3の僅差で、3人の委員が4.00%への利上げを主張しました。市場は3割程度の利上げの可能性を見ていたため、据え置きを受けてポンドは主要通貨のなかで最も弱い動きに。原油は、サウジがオマーン沖での洋上積み替えを使ってアジアの製油所へ追加の原油を供給すると伝わり、2日続落しています。これに先立つ9/16にはトランプ大統領が「イランとの戦争は終わりに近づいている」との認識を示したとも報じられました。原油安で金利上昇の圧力が和らぎ、米10年利回りは8営業日ぶりに低下。金は約2.1%上昇し、米国株も反発しています。
金曜(9/18)、日銀は政策金利を0.25%引き上げて1.25%としました。6月以来3か月ぶりの利上げで、1995年以来31年ぶりの水準です。ただし採決は賛成7・反対2で、浅田委員は「足もとのCPIが2%を下回り、経済も必ずしも強くない」、佐藤委員は「経済・物価が大きく加速していない」として反対しました。同じ朝に発表された日本の8月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.9%で、8か月連続で2%目標を下回っています。海外勢はこの結果を「ハト派(利上げに慎重)」と受け止め、発表前156.16円だったドル円は発表直後に156.85円へ。植田総裁は会見で「政策の局面は変化した」「引き続き政策金利を引き上げる」と述べ、連続利上げや0.5%の利上げも「物価情勢次第で排除できない」としましたが、利上げの間隔については「特定の間隔は念頭にない」。会見中に一時156.50円まで円が買い戻されたものの、終了後は157円台へ戻り、NY時間の序盤には158円台まで円安が進みました。日経平均は前日比+882.70円の65,018.95円と大幅高で引けています。
暗号資産にとって今週は、本来なら逆風の多い週でした。9/15に米上院でクラリティ法案が阻まれ、9/16にはFRBが利上げ。それでも金曜(9/18)、ビットコインは一時8万1,000ドル台まで急伸し、24時間で6%近く上昇しました。デリバティブ(先物・オプション)市場で上昇に賭けるポジションが多かったところに、7万8,000ドル付近の抵抗線を抜けたことで売り方の損切り(ショートの清算)が連鎖したと解説されています。9/17には米議会で暗号資産関連の2法案が前進し、ドイツ銀行が欧州顧客向けにビットコインとイーサリアムの保管サービスを年内に始める計画を示すなど、環境面の追い風もありました。
・9/21(月)〜23(水)は日本の祝日(敬老の日・国民の休日・秋分の日)。土日を含めて5連休のシルバーウィークで、東京市場が閉まるなか円安が進んだ場合の当局の対応(口先介入・実弾介入)が警戒されています
・9/22(火)トランプ大統領と湾岸協力会議(GCC)首脳の会談(国連総会の場で、イラン情勢の次の対応を協議する見通し)──原油と円の両方に効きます
・9/23(水)主要国の9月PMI速報値──利上げ後の景気の強さを測る最初の材料
・9/24(木)スイス国立銀行(SNB)の政策金利発表(据え置き予想)、習近平国家主席の訪米、豪州の8月雇用統計
・そのほかサウジ東西パイプラインの復旧状況──サウジは数日中に能力の半分を回復させる見通しとされています
今週は「日米がそろって利上げ、でも円安」という結果になりました。来週は東京が休みのあいだにドル円がどこまで行くか、そして200日線(158.396円)を超えるかどうかが最初の焦点です。