2026年10月2日〜10月9日(週次レポート)

通貨強弱ファンダメンタルズ分析
──豪ドルが7位から首位へ7ペア全勝、ユーロは2週連続の0勝7敗

豪ドルが7ペアすべてに勝つ完璧な全方位型AUD高(+0.5383)で7位から首位へ+6ランク。2週前の0勝7敗から、7勝0敗に入れ替わりました。9月サービス業PMIの上振れと、10月の消費者インフレ期待5.3%(予想5.0%)が支えです。反対側はユーロで、仏財政不安が続いて2週連続の0勝7敗(-0.4301)。米ドルは3週続いた7ペア全勝が止まり、豪ドルにだけ負けて2位です。10月の利上げを示唆しなかった植田総裁の挨拶のあと、円は4位から7位、フランは3位から6位へ下げました。2位から5位の4通貨は0.0557ポイント内に収まり、指数レンジは0.9684ポイントと5週連続で縮小しています。

順位 通貨 強弱指数 前週 可視化
1 🇦🇺 AUD +0.5383 7位 ⬆
2 🇺🇸 USD +0.0988 1位 →
3 🇳🇿 NZD +0.0456 6位 ⬆
4 🇬🇧 GBP +0.0449 2位 ⬇
5 🇨🇦 CAD +0.0431 5位 →
6 🇨🇭 CHF -0.0886 3位 ⬇
7 🇯🇵 JPY -0.2519 4位 ⬇
8 🇪🇺 EUR -0.4301 8位 →
順位ペア変化率方向
1AUD/CHF+0.608%AUD首位 / CHF6位
2USD/EUR+0.450%USD2位 / EUR最弱
3AUD/NZD+0.410%AUD首位 / NZD3位
4AUD/CAD+0.369%AUD首位 / CAD5位
5USD/JPY+0.296%USD2位 / JPY7位
順位ペア変化率方向
最下位EUR/AUD-0.903%EUR最弱 / AUD首位
-2JPY/AUD-0.670%JPY7位 / AUD首位
-3GBP/AUD-0.412%GBP4位 / AUD首位
8枠のうち6枠が豪ドル絡み、最大でも0.9%:上昇上位のAUD/CHF・AUD/NZD・AUD/CAD、下落下位のEUR/AUD・JPY/AUD・GBP/AUDがすべて「豪ドル買い」です。残る2枠はUSD/EURとUSD/JPYの「ドル買い」。ただし28ペアで最も大きく動いたEUR/AUDでも-0.903%で、先週の最大(USD/EUR +1.231%)より小さく、全体に値動きの小さい週でした。
番狂わせは1件、それも0.006%:対7通貨の勝敗はAUD 7勝0敗/USD 6勝1敗/NZD 5勝2敗/GBP 3勝4敗/CAD 4勝3敗/CHF 2勝5敗/JPY 1勝6敗/EUR 0勝7敗。順位どおりでないのは4位GBPと5位CADだけで、原因のGBP/CADは-0.006%と実質引き分けです(GBP/NZDも-0.006%)。先週のGBP/CHF 0.000%に続き、2週続けて「引き分け1件を除けば完全序列」でした。
中位4通貨はほぼ動かず:2位USDから5位CADまでの直接対決は、USD/NZD +0.056%・USD/CAD +0.055%・USD/GBP +0.048%・CAD/NZD -0.024%・GBP/NZD -0.006%・GBP/CAD -0.006%と、6ペアすべてが0.06%以内です。指数レンジは1.3909ポイントから0.9684ポイントへ、5週連続で縮小しました。

① 豪ドルが7位から首位へ──物価の指標と、先週の売りの買い戻し

10月5日(月)の豪9月サービス業PMI確報は51.9(予想51.4)で、この日の主要通貨でドルに対して上がったのは豪ドルだけでした。国内のサービス物価の強さが、RBAの引き締め姿勢を支えると受け止められています。10月8日(木)には10月の消費者インフレ期待が5.3%(予想5.0%、前月4.9%)へ上昇しました。

豪ドルは9月29日のRBA利上げのあと、追加利上げに慎重な姿勢を受けて売られ、AUD/JPYは10月1日に108.70円の安値をつけていました。今週はそこからの戻りで、AUD/JPYは+0.699%と15ペア最大の上昇、AUD/USDも5週ぶりに上昇しています。

豪ドルの7勝の勝ち幅は+0.369%(対CAD)〜+0.903%(対EUR)で、対ドルは+0.397%です。報道ではRBAの11月会合での利上げの織り込みは3割前後にとどまり、ブロック総裁は9月会合で「据え置きも検討した」と述べています。10月13日の議事要旨と10月15日の9月雇用統計が、この順位を保てるかの材料です。

② ユーロは2週連続の0勝7敗──仏国債利回りは5%前後

報道では、フランスの10年国債利回りは10月1日に5%近くまで上がり、10月2日には独国債との差が約150bpに拡大しました。10月1日に閣議に出た2027年予算案は総額540億ユーロの財政改善策を含みますが、議会の分断で成立は見通せていません。10月5日(月)にはスペインの前倒し選挙の準備報道も重なり、EUR/USDは2025年5月以来の安値をつけています。

10月6日(火)は仏国債への売りが和らいでユーロが買い戻されましたが、10月7日(水)にはドルに対して約0.57%下落と、主要通貨で最も弱くなりました。独8月鉱工業生産が前月比+2.0%(予想+0.5%)と上振れても、反応は続いていません。

ユーロの0勝7敗は2週連続です。負けた幅は対AUD -0.903%〜対JPY -0.195%と先週(-0.236%〜-1.231%)より小さく、売りの勢いはやや鈍りました。10月23日にはムーディーズによるフランスの格付け判断が予定されています。

③ 米10年債5.36%、ただし入札は強い需要──ドルの7勝0敗は3週で止まる

10月7日(水)に米10年国債利回りは一時5.36%と2002年以来の水準を更新しましたが、同日の10年債入札は応札倍率2.77倍と2016年以来の強い需要で、利回りは5.27%付近に戻りました。同日公表のFOMC議事要旨(9月会合分)では、多くの参加者が年内にもう1回の利上げを適切と見ていたことが示され、10月8日にはウォラーFRB理事が「追加利上げを見込むが、連続した会合である必要はない」と述べています。

ドルは6勝1敗、負けたのは豪ドルだけです。ただし対NZD +0.056%・対CAD +0.055%・対GBP +0.048%と、3つの勝ちは実質引き分けに近い幅でした。指数は+1.1236→+0.9379→+0.6093→+0.0988と4週続けて縮んでいます。

④ 円とフランが下位へ──植田総裁は10月の利上げを示唆せず

10月6日(火)、植田日銀総裁は全国証券大会の挨拶で「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と述べ、物価の上振れリスクにも触れました。ただし10月の利上げを示唆する発言はなく、OISが織り込む10月利上げの確率は先週の最大4割から約12%へ低下しています。10月7日(水)の8月の現金給与総額は前年比+3.8%(予想+4.9%)と下振れ、ドル円は158.50円まで上昇しました。

フランは10月6日のスイス9月失業率が3.0%(予想2.8%)。S&P500が10月6日に8月中旬以来の最高値をつけた週で、低金利の2通貨がそろって下位に並びました。

円は1勝6敗で、勝ったのはユーロ(+0.195%)だけです。先週は当局の発言が円の下値を支えましたが、今週は日銀の10月利上げ観測の後退と賃金の下振れが円安方向に働きました。ただし負け幅は対AUDを除けば0.23〜0.30%と小さく、ドル円は158円台で上値の重さが続いています。

⑤ 10/9 カナダ雇用-6.83万人──それでもカナダドルは5位を維持

10月9日(金)のカナダ9月雇用者数は-6.83万人と、+1.0万人の予想に反して2か月連続の減少、失業率は6.5%へ上昇しました。発表後はカナダドルが売られ、USD/CADは週の高値1.4299で75日間高値を更新しています。

それでも週間ではUSD/CADは+0.055%にとどまり、カナダドルは4勝3敗の5位です。WTIが週間+0.81%と底堅かったことに加え、10月6日の8月貿易収支が42億カナダドルの黒字(予想14億)と上振れていました。

⑥ 来週の注目材料(10/12〜10/16)

10/12(月)は東京がスポーツの日、米国はコロンブスデーで債券市場が休場です。10/13(火)RBA議事要旨、10/14(水)米9月CPI(予想は前年比+3.6%、8月+3.4%)、10/15(木)豪9月雇用統計・米9月小売売上高、10/16(金)植田日銀総裁の挨拶。首位の豪ドルにとっては、議事要旨と雇用統計が続く週になります。

🇦🇺 AUD(豪ドル)── 1位 / +0.5383

前週7位 → 今週1位(+6)

7ペアすべてに勝つ完璧な全方位型AUD高です。AUD/EUR(+0.903%)、AUD/JPY(+0.670%)、AUD/CHF(+0.608%)、AUD/GBP(+0.412%)、AUD/NZD(+0.410%)、AUD/USD(+0.397%)、AUD/CAD(+0.369%)。

9月サービス業PMI確報51.9(10/5)、10月消費者インフレ期待5.3%(10/8)と物価の強さを示す指標が続き、RBA利上げ後の売りが買い戻されました。指数は-0.5019から+0.5383へ1.0402ポイント改善しています。

豪ドルの過去7週推移は「2→2→6→3→8→7→1」。2週前(fx-39)の0勝7敗から、今週は7勝0敗です。単発の指標と買い戻しで勝った全方位型は、翌週に順位を落とす例が多くあります(直近13例中10例)。来週は10/13のRBA議事要旨と10/15の雇用統計という「これから来る予定」があり、ここで利上げ観測が強まるかどうかが分かれ目です。

🇺🇸 USD(米ドル)── 2位 / +0.0988

前週1位 → 今週2位(-1)

6勝1敗。勝ちはUSD/EUR(+0.450%)、USD/JPY(+0.296%)、USD/CHF(+0.183%)、USD/NZD(+0.056%)、USD/CAD(+0.055%)、USD/GBP(+0.048%)。負けはUSD/AUD(-0.397%)だけです。

米10年利回りは10/7に5.36%まで上がったあと、入札の強い需要で戻し、週間では小幅に低下しました。FOMC議事要旨とFRB高官の発言は「年内の追加利上げ、ただし急がない」で、10月FOMCでの利上げ確率は2〜2.5割程度と報じられています。

ドルの過去7週推移は「1→5→3→1→1→1→2」。3週続いた7勝0敗は止まりましたが、負けたのは1通貨だけです。先週書いた「指数と2位との差の縮み」がそのまま続き、指数は+0.0988まで下がっています。

🇳🇿 NZD(NZドル)── 3位 / +0.0456

前週6位 → 今週3位(+3)

5勝2敗。勝ちはNZD/EUR(+0.392%)、NZD/JPY(+0.275%)、NZD/CHF(+0.088%)、NZD/CAD(+0.024%)、NZD/GBP(+0.006%)。負けはNZD/AUD(-0.410%)とNZD/USD(-0.056%)です。

10/6のNZIER企業景況感(7〜9月期)は43と、予想15・前回8から大きく改善し、同日の乳製品価格指数(GDT)も+1.2%でした。ただしNZD/USDは7週続落で、週の安値0.5584は75日間安値の更新です。

3位への上昇は中位の団子のなかで、わずかに勝ち越した結果です。対CAD・対GBPの勝ちは0.03%未満で、指数+0.0456は4位GBPと0.0007ポイント差しかありません。RBNZの次回会合は10月28日です。

🇬🇧 GBP(英ポンド)── 4位 / +0.0449

前週2位 → 今週4位(-2)

3勝4敗。勝ちはGBP/EUR(+0.383%)、GBP/JPY(+0.245%)、GBP/CHF(+0.159%)。負けはGBP/AUD(-0.412%)、GBP/USD(-0.048%)、GBP/NZD(-0.006%)、GBP/CAD(-0.006%)で、4敗のうち3敗は0.05%未満です。

英9月サービス業PMI確報は52.1(予想51.7)。GBP/USDは2週続けてほぼ横ばいで、EUR/GBPは75日間安値を更新しました。

ポンドの過去7週推移は「5→7→2→6→7→2→4」。2位の翌週に順位を下げる形はfx-37→38(2位→6位)と同じですが、今週は対ユーロでは勝ち、中位の通貨とは引き分けという内容です。

🇨🇦 CAD(カナダドル)── 5位 / +0.0431

前週5位 → 今週5位(±0)

4勝3敗。勝ちはCAD/EUR(+0.412%)、CAD/JPY(+0.244%)、CAD/CHF(+0.088%)、CAD/GBP(+0.006%)。負けはCAD/AUD(-0.369%)、CAD/USD(-0.055%)、CAD/NZD(-0.024%)です。

10/9の9月雇用統計は-6.83万人、失業率6.5%と弱く、発表直後はカナダドルが売られました。一方、WTIは週間+0.81%で、10/6の8月貿易収支は42億カナダドルの黒字(予想14億)と上振れています。10/6のIvey PMIは58.2(予想65.0)でした。

🇨🇭 CHF(スイスフラン)── 6位 / -0.0886

前週3位 → 今週6位(-3)

2勝5敗。勝ちはCHF/EUR(+0.277%)とCHF/JPY(+0.229%)。負けはCHF/AUD(-0.608%)、CHF/USD(-0.183%)、CHF/GBP(-0.159%)、CHF/NZD(-0.088%)、CHF/CAD(-0.088%)です。

10/6のスイス9月失業率は3.0%(予想2.8%)。先週はユーロからの逃げ先として買われましたが、今週はユーロが2週連続で全敗するなかでも対ユーロの勝ちは+0.277%にとどまり、ほかの5通貨には負けました。

フランの過去7週推移は「7→6→7→2→3→3→6」。2週続けて上位3通貨にいましたが、株価が最高値を更新した週に、低金利通貨として円とともに下位へ戻りました。

🇯🇵 JPY(日本円)── 7位 / -0.2519

前週4位 → 今週7位(-3)

1勝6敗。勝ったのはJPY/EUR(+0.195%)だけで、負けはJPY/AUD(-0.670%)、JPY/USD(-0.296%)、JPY/NZD(-0.275%)、JPY/GBP(-0.245%)、JPY/CAD(-0.244%)、JPY/CHF(-0.229%)です。

10/6の植田総裁は利上げ継続の姿勢を示しつつ10月の利上げは示唆せず、10月利上げの織り込みは約12%へ低下。10/7の8月の現金給与総額は+3.8%(予想+4.9%)と下振れました。

円の過去7週推移は「3→1→1→8→2→4→7」。10/16に植田総裁の挨拶がもう一度あり、12月までの利上げはおよそ9割織り込まれています。ドル円は200日線(158.52円)の手前で、160円に近づけば当局の発言が意識されます。

🇪🇺 EUR(ユーロ)── 8位 / -0.4301

前週8位 → 今週8位(±0)

2週連続の0勝7敗、完璧な全方位型EUR安です。EUR/AUD(-0.903%)、EUR/USD(-0.450%相当)、EUR/CAD(-0.412%)、EUR/NZD(-0.392%)、EUR/GBP(-0.383%)、EUR/CHF(-0.277%)、EUR/JPY(-0.195%)。

仏国債利回りは5%前後で高止まりし、10/5にはスペインの前倒し選挙の準備報道も出ました。EUR/USDは週の安値1.1161で、2週連続の75日間安値更新です。

ユーロの過去7週推移は「4→4→4→5→4→8→8」。指数は-0.7816から-0.4301へ縮み、負け方は先週より小さくなりました。それでも7通貨すべてに負ける状態は変わっていません。0勝7敗の連続はNZDの3週(fx-35〜37)が最長で、10/23のムーディーズの判断までは財政の見出しが続きそうです。

1強+中位4通貨の団子+下位3通貨

AUD +0.54

1位AUD(+0.5383)と2位USD(+0.0988)のあいだに0.4395ポイントの最大の断層があります。2位から5位(USD・NZD・GBP・CAD)は0.0557ポイント内の団子で、その下にCHF(-0.0886)・JPY(-0.2519)・EUR(-0.4301)が0.13〜0.18ポイント間隔で並びます。

指数レンジは3.3504(fx-37)→2.4791→1.6154→1.3909→0.9684と5週連続で縮みました。先週までの「1通貨との勝負で順位表が決まる」形(4週連続)は今週は崩れ、豪ドルに負けた幅の順もユーロに勝った幅の順も、順位表とは一致しません。

アジア太平洋(AUD・NZD・JPY)── 1位・3位と7位に分裂

グループ平均 +0.11

AUD(1位+0.5383)、NZD(3位+0.0456)、JPY(7位-0.2519)で平均+0.1107。先週の最下位グループから、3グループで最上位に変わりました。オセアニアの差は0.4927ポイント(先週0.0891ポイント)に広がり、AUD/NZDは+0.410%です。

先週のオセアニアの接近は「両国の弱い材料が重なった」結果でしたが、今週は豪州の物価指標だけが強く出て、1週で再び分かれました。円は同じ地域でも、日銀の利上げ観測の後退で別の方向です。

欧州(EUR・GBP・CHF)── 4位・6位・8位

グループ平均 -0.16

GBP(4位+0.0449)、CHF(6位-0.0886)、EUR(8位-0.4301)で平均-0.1579と、3グループで最下位です。先週はポンドとフランがユーロ売りの受け皿になりましたが、今週はユーロだけでなく3通貨とも下位側に寄りました。

北米(USD・CAD)── 2位と5位、差は0.0557ポイント

グループ平均 +0.07

USD(+0.0988)とCAD(+0.0431)で平均+0.0710。2通貨の差は0.0557ポイントと先週の0.8861ポイントから大きく縮み、USD/CADは+0.055%とほぼ横ばいでした。カナダの雇用統計の弱さを、原油の底堅さが打ち消した形です。

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