先週週間-3.80%の急落だったドル円は、月曜(8/3)に155.211円まで下げたあと週末には158.572円まで戻し、終値157.799円・週間+0.114%とほぼ変わらずで着地しました。介入で開いた下げが、1週間でほぼ吸収された形です。代わりに今週の主役になったのは貴金属でした。金4,401.3ドル(週間+8.698%)、銀63.80ドル(週間+10.781%)、白金1,757.4ドル(週間+6.490%)と3品目そろって急騰し、先週まで安値圏で膠着していた形が一変。いずれもSMA25・SMA50を上抜けました。きっかけは金曜(8/7)の米7月雇用統計で、非農業部門雇用者数が-2.3万人(予想+8.0万人)と予想外の減少となり、9月利上げ観測が後退。米10年国債利回りは4.66%へ低下しています。原油はホルムズ海峡をめぐる米イラン合意観測で週間-8.964%の急落。日経平均は週明けの窓開け下落から切り返して65,683円・週間+6.168%、NYダウは週間高値54,744ドルで100日間高値を更新しレンジ内92.7%。VIXは14.90まで低下しレンジ内0.8%と100日間安値を更新しました。クロス円は月曜に5ペアそろって75日安値を更新したあと、全ペアがプラス圏で週を終えています。
ドル円は157.799円で週間+0.114%(+0.18円)と、ほぼ変わらずで着地しました。ただし中身は大きな往復です。月曜(8/3)に協調介入警戒で週間安値155.211円(5月6日以来の水準)まで売られたあと、週後半には週間高値158.572円まで3円以上戻し、金曜の雇用統計ショックで156.68円まで押されてから157.799円で引けています。チャートで見ると、先週の長い陰線のあとに下ヒゲの長い足が並ぶ底固めの形です。位置関係は先週と変わらず4本すべてのSMAを下回ったまま──SMA25(161.431円)・SMA50(161.174円)・SMA100(159.984円)・SMA200(158.054円)。ただしSMA200乖離率は-0.161%と、先週の-0.199%からさらに縮まり、200日線まであと0.255円という距離です。SMA配列は上昇パーフェクトオーダーが残っています。
クロス円は週の頭と週末で景色がまったく違う1週間でした。月曜の協調介入警戒で、EUR/JPY(週間安値179.348円)・GBP/JPY(209.541円)・AUD/JPY(109.235円)・CHF/JPY(192.600円)が4ペアそろって75日間安値を更新。ところがそこから切り返し、週間ではすべてプラスで引けています。上昇率が大きい順にAUD/JPY(111.510円、週間+0.806%)、EUR/JPY(182.369円、+0.558%)、GBP/JPY(212.898円、+0.227%)、CHF/JPY(195.281円、+0.217%)。位置関係では、AUD/JPY・GBP/JPYがSMA200のみ上(それぞれ109.417円・211.827円)で他3本は下、EUR/JPY・CHF/JPYは4本すべて下という状態です。SMA配列は、EUR/JPYが先週の上昇パーフェクトオーダーから「混在」へ変化しました(GBP/JPYは上昇POが残存)。
EUR/USDは1.1558で週間+0.281%(+0.0032ドル)と小幅続伸しました。先週の+1.361%に比べると動きは穏やかですが、SMA25(1.1446)・SMA50(1.1470)の上を維持したまま2週目に入っています。SMA100(1.1567)はほぼ同水準まで接近し、乖離率は-0.084%──あと0.0009ドルで100日線に届くところです。SMA200(1.1627)は依然として上方で、SMA配列は下降パーフェクトオーダーが継続。金曜の雇用統計後に1.1527→1.1581ドルまで買われ、週間高値1.1581をつけました。チャートでは6月からの下降トレンドから抜け出し、横ばいから緩やかな右肩上がりへ形が変わりつつあるところです。
GBP/USDは1.3492で週間+0.100%(+0.0013ドル)とほぼ変わらず。先週回復した4本すべてのSMAの上という位置は維持しています。特徴的なのはSMAの水準で、SMA25(1.3403)・SMA50(1.3361)・SMA100(1.3402)・SMA200(1.3400)と4本が1.336〜1.340の狭い範囲に収束しており、チャートでも移動平均線が団子状態です。SMA配列は「混在」。方向感が出にくい形ですが、逆に言えばこの収束帯(1.336〜1.340)を割り込むと一気に弱くなる可能性もあります。金曜は雇用統計後に1.3444→1.3509ドルまで上昇し、週間高値1.3508で引けました。
AUD/USD(0.7067、週間+0.680%)は15通貨ペアで2番目に大きい上昇率となり、4本すべてのSMA(0.6986/0.6995/0.7050/0.6920)を上回る位置へ復帰しました。先週はSMA100(0.7051)だけ上方でしたが、今週はそれもクリア。SMA200乖離率は+2.118%と15ペアで最大です。NZD/USD(0.5894、+0.124%)も4本すべてのSMA(0.5806/0.5791/0.5824/0.5827)の上を維持しました。ただし両ペアともSMA配列は「混在」で、方向感が明確になったわけではありません。今週はAUDが15通貨ペアの値動きから見て最も強い通貨で、AUD/JPY+0.806%・AUD/USD+0.680%・EUR/AUD-0.374%と3方向すべてでオージー高でした。
USD/CAD(1.3940、週間-0.545%)は15通貨ペアで最大の下落率となり、SMA25(1.4087)・SMA50(1.4068)を割り込んだ状態が続いています(SMA100・SMA200は下方)。SMA配列は上昇パーフェクトオーダーですが、価格が上位2本の下にある形です。原油が-8.964%の急落となるなかでカナダドルが買われたのはやや意外な動きで、資源価格よりも米金利低下によるドル売りが効いた格好です。USD/CHF(0.8079、+0.027%)はほぼ変わらず、SMA25(0.8103)のみ下・他3本は上という位置。一方EUR/CHF(0.9335、+0.318%)は週間高値0.9372で2週連続の75日間高値更新となり、4本すべてのSMAの上を維持。フラン安の流れだけは、相場の局面が変わっても淡々と続いています。
CAD/JPY(113.181円、週間+0.685%)は月曜に週間安値110.795円で75日間安値を更新したあと、そこから2.4円近く切り返しました。ただし4本すべてのSMA(114.616/114.511/114.969/114.068円)は依然として上方にあり、SMA配列も「混在」のままです。EUR/AUD(1.6351、週間-0.374%)は15ペアで2番目に大きい下落率で、4本すべてのSMAを下回る下降パーフェクトオーダーが継続。SMA200(1.6821)との乖離率は-2.798%です。EUR/GBP(0.8566、+0.185%)は3週続伸となりSMA25(0.8534)を上回りましたが、SMA50(0.8579)・SMA100(0.8625)・SMA200(0.8671)は上方にあり、下降パーフェクトオーダーが続いています。
日経平均は65,683円で週間+6.168%(+3,816円)と大幅高になりました(データ日:8/6)。週明けは円高を嫌気して週間始値61,957円・週間安値61,948円と大きく窓を開けて下落しましたが、そこから水曜(8/5)の+2,342.91円(+3.66%)を含む切り返しで週間高値66,303円まで4,300円超の上昇。中東情勢の改善期待、欧米株の最高値更新、AI・半導体関連株の復調、原油安によるインフレ懸念の後退が重なりました。SMA5(64,812円)は上抜けたものの、SMA25(66,094円)・SMA50(67,147円)はまだ上方。レンジ内位置は67.9%と先週の62.0%から改善し、月間では-3.771%とマイナスが残っています。なお金曜(8/7)は小幅続落で65,606円台と伝えられており、勢いは週末にかけて一服しています。
NYダウは54,037ドルで週間+2.957%(+1,552ドル)と続伸し、週間高値54,744ドルで100日間高値を更新しました。レンジ内位置は92.7%(先週90.2%)。SMA25(52,662ドル)・SMA50(52,057ドル)を大きく上回り、月間では+3.226%(+1,689ドル)とプラス幅を広げています。火曜(8/4)にはS&P500とそろって最高値をつけ、同じ日に独DAX・仏CAC40も最高値を更新。原油安によるインフレ懸念の後退と、金曜の雇用統計を受けた金利低下が重なり、100日チャートでは3月末の45,057ドルからの上昇基調が途切れることなく続いています。
米10年国債利回りは4.66%で週間-1.791%(-0.09ポイント)と、上昇が続いていた流れから低下へ転じました。先週は4.74%・レンジ内99.7%で100日間高値を更新していましたが、今週はレンジ内84.4%へ後退。週間高値4.70%・安値4.60%で、金曜の雇用統計後に低下しています。SMA25(4.61%)・SMA50(4.54%)はまだ下方にあり、月間では+1.992%とプラスを維持。-2.3万人という雇用統計の結果で、9月利上げ観測が急速に後退したのが直接の理由です。加えてNY連銀のインフレ期待率の低下、そして週を通じた原油安(-8.964%)もインフレ圧力の後退として金利低下に働きました。
VIX指数は14.90で週間-6.817%(-1.09ポイント)と続落し、週間安値14.77で100日間安値を更新しました。レンジ内位置は0.8%と、ほぼ最低水準に張り付いています(先週6.2%)。週間高値18.43は月曜の円高・株安局面でつけたもので、そこから週末にかけて一直線に低下。SMA25(16.91)・SMA50(17.27)をともに下回り、月間では-11.834%です。株高・金利低下・原油安がそろい、市場の警戒感は完全に緩みました。
ビットコインは10,225,877円で週間+3.347%(+331,192円)と反発し、1,000万円台を回復しました(データ日:8/8)。週間安値9,758,870円から週間高値10,249,764円まで、週を通じて切り返す動きです。SMA50(10,221,408円)はわずかに上回りましたが、SMA25(10,384,221円)はまだ上方。レンジ内位置は23.3%と先週の14.5%から改善しました。月間では-0.337%とわずかにマイナスのままです。株高・リスクオンの流れに素直に乗った形ですが、100日チャートで見ると4月末の1,290万円台からの下降トレンドの中の戻りという位置づけであることに変わりはありません。
イーサリアムは301,697円で週間+3.813%(+11,081円)と反発し、こちらも30万円台を回復しました(データ日:8/8)。週間安値286,571円から週間高値303,565円までの切り返しです。SMA50(289,820円)を上回る一方、SMA25(304,708円)はわずかに上方という位置。レンジ内位置は44.0%と先週の37.1%から改善し、BTC(23.3%)との差は今週も続いています。月間では+6.514%(+18,450円)とプラスを維持しており、BTC(月間-0.337%)より一貫して強い状態です。
WTI原油は77.08ドルで週間-8.964%(-7.59ドル)と大幅続落しました(データ日:8/7)。週間高値82.33ドルから週間安値74.24ドルまで8ドル超の値幅で、下げの理由ははっきりしています。火曜(8/4)にベッセント米財務長官がホルムズ海峡の開放に向けた米イラン合意が「きょうか明日にも」と述べ、さらにイランとオマーンがホルムズ海峡を迂回する新航路で原則合意に近づいていると報じられたためです。SMA25(79.65ドル)・SMA50(80.45ドル)をともに割り込み、レンジ内位置は19.8%と先週の34.8%から大きく低下。それでも月間では+4.842%とプラスを維持しています。100日チャートでは、7月上旬の67ドル台から93ドル台まで急騰した分を、ここ2週間でほぼ吐き出した形です。
金は4,401.3ドルで週間+8.698%(+352.2ドル)の急騰となりました(データ日:8/7)。ここが今週いちばん大きな変化です。先週まで「4,000〜4,100ドルの狭いレンジで膠着」「レンジ内6.8%の安値圏」と書いていた金が、1週間で週間高値4,432.3ドルまで駆け上がりました。金曜だけで+3.755%(+159.3ドル)。先週まで上方にあったSMA25(4,094.47ドル)・SMA50(4,170.49ドル)を2本とも一気に上抜け、レンジ内位置は6.8%→41.6%へジャンプしています。月間では+8.116%(+330.4ドル)。理由は明快で、週を通じた原油安によるインフレ懸念の後退+米金利低下、そして金曜の雇用統計を受けた9月利上げ観測の後退です。金利を生まない資産にとって、利上げ観測の後退は保有コストの低下を意味します。
銀は63.80ドルで週間+10.781%(+6.21ドル)と、今週の12銘柄で最大の上昇率となりました(データ日:8/7)。週間始値57.67ドル(=週間安値)から週間高値65.48ドルまで、ほぼ一直線の上昇です。金曜は前日比+3.843%(+2.36ドル)。SMA25(58.95ドル)はもちろん、先週まで大きく上方にあったSMA50(62.80ドル)も上抜けました。レンジ内位置は25.9%と先週の7.5%から大きく改善。月間では+9.690%(+5.64ドル)です。先週「底は打ったかも?の確認にはやはりもう少し時間が必要」と書きましたが、その答えが1週間で出た形になりました。
白金は1,757.4ドルで週間+6.490%(+107.1ドル)と2週連続の上昇(データ日:8/7)。週間高値1,796.2ドルまで買われ、月間では+11.482%(+181.0ドル)と12銘柄で最大の伸びになりました。先週SMA25を上抜けたのに続き、今週はSMA50(1,686.0ドル)も上抜け。レンジ内位置は34.0%と、先週の17.0%からさらに改善しました。先週「白金だけが先行して形を整えつつある」と書きましたが、その1週間後に金・銀が追いついてきた格好です。
インドSENSEX(78,955、データ日:8/6)は週間+1.317%(+1,027ポイント)と続伸しました。週間高値79,143は100日間高値79,367に肉薄し、レンジ内位置は94.7%と先週の74.8%からさらに上昇。SMA25(77,540)・SMA50(76,625)をともに上回り、月間では+0.990%です。2週続けての上昇で、100日チャートでは6月の71,546からの上昇基調が続く形になっています。上海総合は今週終値データが取得できていません(データ休場)。週間始値3,812.61・週間高値3,902.05・週間安値3,797.64というレンジからは、3,800〜3,900ポイントでの推移だったことがうかがえます。100日間高値4,258.86・安値3,741.11に対して、依然として安値圏にあることに変わりはありません。
チャートをざっくり3グループに分けると——
🟢 上昇したもの:銀(+10.78%・12銘柄で最大・SMA50上抜け・レンジ内25.9%)、金(+8.70%・SMA25/50を一気に上抜け・レンジ内41.6%)、白金(+6.49%・月間+11.48%・レンジ内34.0%)、日経平均(+6.17%・61,948円から4,300円超の切り返し)、ETH(+3.81%・30万円台回復)、BTC(+3.35%・1,000万円台回復)、NYダウ(+2.96%・100日高値54,744ドル更新・レンジ内92.7%)、インドSENSEX(+1.32%・レンジ内94.7%)、AUD/JPY(+0.81%)、CAD/JPY(+0.69%)、AUD/USD(+0.68%)、EUR/JPY(+0.56%)、EUR/CHF(+0.32%・2週連続75日高値0.9372更新)、EUR/USD(+0.28%)、GBP/JPY(+0.23%)、CHF/JPY(+0.22%)、EUR/GBP(+0.19%)、NZD/USD(+0.12%)、USD/JPY(+0.11%)、GBP/USD(+0.10%)、USD/CHF(+0.03%)
🔴 下落したもの:WTI原油(-8.96%・ホルムズ迂回航路の合意観測・レンジ内19.8%)、VIX(-6.82%・100日安値14.77更新)、米10年利回り(-1.79%・4.66%へ低下)、USD/CAD(-0.55%・15ペア最大の下落)、EUR/AUD(-0.37%)
🟡 方向感を探っている:USD/JPY(155.211円→158.572円の往って来いで週間+0.11%・4本すべてのSMAの下のまま・SMA200まであと0.16%)、GBP/USD(4本のSMAが1.336〜1.340に収束)、上海総合(終値データ休場)
ひと言でまとめると、「介入で開いた下げが1週間で埋まり、代わりに貴金属が全面急騰──銀+10.8%・金+8.7%・白金+6.5%」という週でした。先週-3.80%の急落だったドル円は、月曜(8/3)に155.211円まで下げたものの4月以降の介入時安値155.03円を割り込めず、そこから158.572円まで戻して週間+0.114%で着地。片山財務相が「さらなる協調介入も躊躇しない」と表明するなかでも売り込めなかった事実は、来週以降の見方に効いてきそうです。クロス円は月曜にEUR/JPY・GBP/JPY・AUD/JPY・CHF/JPY・CAD/JPYの5ペアが75日安値を更新したあと、全ペアがプラス圏で週を終えました。相場を動かしたのは原油で、火曜(8/4)のホルムズ海峡をめぐる米イラン合意観測でWTIは週間-8.96%の急落。これがインフレ懸念の後退を通じて金利低下・株高・貴金属高の連鎖を生みました。同じ日にNYダウ・S&P500・独DAX・仏CAC40がそろって最高値を更新し、日経は水曜に+2,342円の急騰。そして金曜(8/7)の米7月雇用統計が-2.3万人(予想+8.0万人)という予想外の減少となり、9月利上げ観測が後退して米10年利回りは4.66%へ低下、金は1日で+3.76%、銀は+3.84%と跳ねました。先週まで安値圏で膠着していた貴金属3品目が、そろってSMA25・SMA50を上抜けたのが今週いちばんの構造変化です。ただし気がかりなのはVIXで、14.90・レンジ内0.8%と100日間安値を更新──これで4週間のうち3度目の「極端な楽観」です。来週は8/12(水)の米7月CPIが最大の焦点。ドル円がSMA200(158.054円)を回復できるか、日経がSMA25(66,094円)を回復できるか、そして急騰した貴金属がSMA50を保てるかを見ていきたいところです。
週明けは先週末の介入の余韻から始まりました。片山財務相は7月31日に米財務省と協調して円買い介入を実施したことを明らかにし、「さらなる協調介入を実施することも躊躇しない」と表明。ベッセント米財務長官も同様の姿勢を示し、日米は3日に共同声明を出す方向で調整に入ったと報じられました。日米の協調介入は2011年以来15年ぶり、円買い方向に限れば1998年6月以来28年ぶりです。この警戒感からドル円は東京時間に一時155.22円前後(5月6日以来の安値)まで急落しました。ただし4月以降の介入時安値155.03円は下回らず、その後は156円台半ばでもみ合う展開に。CSVの75日間安値も155.026円のままで、この水準は更新されていません。
火曜、ベッセント米財務長官が「ホルムズ海峡の開放に向けたイランとの合意がきょうか明日にも成立する可能性がある」と述べたことで、原油が急落しました。イランとオマーンがホルムズ海峡を迂回する新航路で原則合意(2〜4か月の運用予定)に近づいているとの報道も重なり、WTIは週初からの3営業日で約11%下落して75ドル台に。エネルギー価格の低下はインフレ懸念の後退を通じて株式には追い風となり、同じ日の欧州株では独DAX・仏CAC40がそろって最高値を更新、米国市場でもNYダウとS&P500が最高値をつけました。
金曜の雇用統計を前に、労働市場の弱さを示す数字が続きました。6月のJOLTS求人件数は735.9万件(5月753.7万件)と3月以来の低水準。7月のADP雇用統計は+4.4万人(予想+6.5万人、前回は+9.8万人から+9.5万人へ下方改定)。ISM非製造業の雇用指数は47.4(予想51.2)と予想外に好不況の分かれ目である50を割り込み、こちらも3月以来の低水準となりました。ただしこの時点での市場の反応は限定的で、ドル円は157.50円割れへ小幅に軟化した程度。株式のほうが素直に反応し、日経平均は+2,342.91円(+3.66%)の急騰で66,300.44円まで戻しました。中東情勢の改善期待、欧米株の最高値更新、日米の好決算を受けたAI・半導体関連株の復調、そして原油安が重なった1日です。
今週最大の材料は金曜の雇用統計でした。非農業部門雇用者数は-2.3万人と、予想の+8.0万人に対してまさかのマイナス。失業率は4.1%と前月から0.1ポイント低下したものの、過去分も5月が+12.9万人→+6.3万人、6月が+5.7万人→+2.0万人へ大幅下方修正されています。内訳では地方政府の教育が-5万人と最大の減少要因で、レジャー・ホスピタリティが-4万人、小売が-1.9万人。ヘルスケアだけが+2.2万人でした。この結果を受けて9月利上げ観測は急速に後退し、長期金利の低下とともにドル売りが加速。ドル円は158.39円から156.68円まで下落しました(引けは157.799円)。ユーロドルは1.1527→1.1581ドル、ポンドドルは1.3444→1.3509ドル、ドルスイスは0.8110→0.8057フランと、全面的なドル安です。
・8/11(火)〜8/13(木)米国債入札(3年・10年・30年物)──金利の方向を決める需給イベント
・8/12(水)米7月消費者物価指数(CPI)──来週最大の注目。サービス価格の粘着性が確認されれば9月利上げ観測が息を吹き返しドル買い、逆に原油安を反映して鈍化すれば貴金属の追い風が続きやすいところです
・8/13(木)米7月卸売物価指数(PPI)/8/14(金)米7月小売売上高
ドル円については、160円に接近すると再び追加介入への警戒が強まりやすい点も頭に入れておきたいところです。今週155円台から158円台まで戻したことで、上下どちらにも当局の影がちらつく不安定な地合いが続きます。