2026年8月17日(月)〜 8月22日(土)

今週の相場をチャートで振り返る

今週の主役は「暗号資産と貴金属の全面高」、そしてひとりだけ逆を向いた日経平均でした。きっかけは水曜(8/19)、米財務省が長期国債の買い戻し上限を20億ドルから少なくとも40億ドルへ倍増すると発表したこと。約19年ぶりの高水準(5.34%付近)まで上がっていた米30年債利回りが約10bp低下し、ドル指数が急落——ドル円は一時158.01円まで下げました。ここに6週間積み上がっていた暗号資産のショートの連鎖清算が重なり、ビットコインは週間+22.326%で12,281,568円(一時7万9,000ドル台)、イーサリアムは+28.794%で100日間高値を更新。貴金属も白金+7.846%・銀+6.891%・金+5.563%と3品目そろって急騰し、金は週間高値4,624.1ドルでそのまま引ける強さでした。ところが同じ8/19に公表されたFOMC議事要旨(7/28-29会合)は「多くの参加者が追加引き締めの必要性を認識」というタカ派の中身で、米10年国債利回りは4.74%・レンジ内98.3%と100日間高値4.75%に肉薄。金利上昇でPER(株価収益率)の高いグロース株が売られ、日経平均は8/19に2,000円超安・8/21も900円超安となって66,016円・週間-3.926%。為替はドルが対円以外で全面安でしたが、8/20の7月貿易赤字6,345億円(前年の約4倍)と8/21の7月コアCPI+1.8%を受けて円も売られ、ドル円は158.979円・週間-0.196%とほぼ動かず。ドル安と円安が相殺した形です。クロス円は2週連続で全ペア上昇し、15ペア中9ペアが4本すべての移動平均線の上に並びました。

8/19(水) 米財務省が長期国債の買い戻しを倍増 今週最大の材料 📈 30年債利回りが約10bp低下、ドル指数が急落

今週の相場をひとつの材料で説明するなら、これです。水曜(8/19)、米財務省が長期国債の買い戻し(バイバック)の上限を、現在の20億ドルから少なくとも40億ドルへ引き上げると発表しました。対象は残存期間10〜20年と20〜30年で、適用は9月9日〜11月4日の予定です。買い戻しは本来、取引量の減った古い国債を買い入れて国債市場全体の流動性を支えるための仕組みですが、今回の増額はこのところ上昇が鮮明だった超長期金利を押し下げる狙いと受け止められました。背景には、米30年債利回りが約19年ぶりの高水準となる5.34%付近まで上昇していたことがあります。発表後、30年債利回りは約10bp低下し、ドル指数が急落。ドル円は158.24円まで急落し、この日の流れのなかで週間安値158.01円をつけました。

💡 チェックポイント:金利が下がってドルが下がると、ドル建てで値段がつく資産——株・金・暗号資産——が同時に買われます。今週の金+5.563%、白金+7.846%、ビットコイン+22.326%は、まずこの1本の材料でつながっています。米国の財政赤字と40兆ドルを超えた政府債務への懸念が超長期金利を押し上げ、それを当局が買い戻しで抑えにいく——この構図そのものが「実物資産に資金が向かう理由」として読まれた面もあります。
8/19(水) FOMC議事要旨(7/28-29会合)はタカ派の中身 📉 「多くの参加者が追加引き締めの必要性を認識」、米10年利回りはレンジ内98.3%へ

同じ水曜に公表された7月28〜29日のFOMC議事要旨は、方向が逆でした。多くの参加者が「インフレが低下しなければ金融引き締めが必要になるだろう」との認識を示し、さらに幾人かの参加者は同会合での利上げが望ましいと考えていたことが明らかになっています(7月会合は政策金利3.50〜3.75%の据え置きを決定、採決は9対3)。ウォーシュ議長が会合の開催頻度を年8回から6回に減らす案を提起していたことも記されました。バイバックで超長期の利回りが一度は下がったものの、米10年国債利回りは週末にかけて4.74%まで戻し、レンジ内位置は98.3%——100日間高値4.75%にほぼ肉薄する水準で週を終えています。

⚠️ 注意:「超長期は当局が押し下げにいく、中期はインフレ警戒で上がる」というねじれが同じ日に生まれたのが今週の特徴です。株式にとっては後者の影響が大きく、PERの高いグロース株を中心に売りが広がりました。金や暗号資産が急騰しながら日経平均だけが急落した理由は、ここにあります。
8/18(火)〜8/21(金) 日経平均が2,000円超安を含む急落 📉 SOX指数-4.98%を引き継ぎ半導体株が全面安、週間-3.93%

火曜(8/18)の米国市場でナスダックが-1.33%、半導体関連のSOX指数が-4.98%と大きく下げ、その流れが翌8/19の東京市場に波及しました。8/19の日経平均は終値ベースで2,000円を超える下落となり、ソフトバンクグループや東京エレクトロンなど半導体関連が全面安。金曜(8/21)も900円超下げ、週間では-2,697円・-3.926%となりました。要因は米長期金利の上昇に加えて、日米で個人消費の減速が意識されたことです。米国では先週末(8/14)発表の7月小売売上高が-0.6%(予想+0.1%)、8月ミシガン大学消費者態度指数の速報値が51.0(予想55、7月55.2)と、いずれも大きく下振れていました。

8/19(水)〜8/21(金) 暗号資産が歴史的な急騰、ショートの連鎖清算 🚀 BTCは一時7万9,000ドル台、清算額は数十億ドル規模

水曜のバイバック発表を起点に、暗号資産が週を通じて急騰しました。ビットコインは8/19に7万ドルを突破し、8/21には一時7万9,000ドル台を記録。円建てでは週間高値12,597,245円です。急騰の中身は3つが重なっています。 6週間にわたり6万2,000〜6万7,000ドル付近の狭いレンジで積み上がっていたショートポジションの連鎖清算(清算額は数十億ドル規模で、2021年以来といわれる大きさ)。 デジタル資産の規制枠組みを明確化するCLARITY法案が9月15日に上院で審議入りに向けた手続き採決を控えているという期待。 米国の現物ETFへの資金流入で、8月上旬にビットコインETFへ約8.5億ドル(4月以来最大)、イーサリアムETFへ約2.45億ドルが入っていました。

⚠️ 注意:上げ幅の相当部分が強制清算による買い戻しである点は、押さえておきたいところです。ショートの踏み上げは「売り方がいなくなった時点で燃料切れになる」性質があり、実需の買いだけで支えられているわけではありません。実際、土曜(8/22)はBTCが前日比-1.373%、ETHが-3.483%と反落して週を終えています。
8/17(月)GDP / 8/20(木)貿易収支 / 8/21(金)CPI 🔄 GDPは予想下振れ、貿易赤字は前年の約4倍、コアCPIは+1.8%で予想どおり

日本の材料は3つ並びましたが、いずれも円買いにはつながりませんでした。月曜(8/17)の4-6月期GDP速報値は前期比+0.3%・年率+1.1%で3四半期連続のプラス成長ながら、市場予想(年率+2.2%)を下回る内容。内需が3四半期ぶりにマイナス寄与(-0.2ポイント)となり、ホルムズ海峡の事実上の封鎖で原油輸入が減ったことによる外需(+0.5ポイント)がプラスを支える形でした。名目GDPは687兆7,182億円と過去最高です。木曜(8/20)の7月貿易収支は6,345億円の赤字で3か月連続の赤字、前年同月(1,563億円)の約4倍に拡大しました。輸出は11兆5,118億円と過去最高(前年比+20%超)ですが、原油輸入単価が78%高で輸入も12兆1,463億円と過去最高です。金曜(8/21)の7月全国コアCPIは前年比+1.8%(予想どおり、6月の+1.6%から加速)で、日銀の2%目標を7か月連続で下回りました

🔴 ポイント:日銀の9月利上げはすでに市場に織り込まれており、CPIが予想どおりでは新しい円買い材料になりません。むしろ貿易赤字の拡大は実需の円売りそのものです。先週このレポートで書いた「利上げしても実質金利はマイナス圏を脱しない」という構図に、今週は「貿易赤字という実需の円売り」が上乗せされました。ドルが全面安になった週にドル円がほとんど下がらなかったのは、このためです。
週間を通じて 米イラン暫定合意が期限切れ、原油は2週連続の上昇 📈 WTIは87.06ドル・週間+5.66%、週間高値89.00ドル

中東情勢は再び緊張方向です。米国とイランの暫定合意が期限を迎え、延長されなかったことで供給不安が強まり、WTI原油は週間+5.655%(+4.66ドル)の87.06ドルまで上昇しました。週間高値は89.00ドルで、90ドルの大台が視野に入っています。先週の+5.398%に続く2週連続の上昇で、6月下旬に67.04ドルの100日間安値をつけたところからは20ドルの戻しです。この原油高は、日本の7月貿易赤字が前年の約4倍に膨らんだ直接の原因でもあり、「中東 → 原油 → 日本の貿易赤字 → 円売り」という経路がはっきり見える週でした。

📅 来週の注目材料(8/24〜8/28)
💡 チェックポイント:
8/24(月)米国のイラン向け新たな経済制裁──トランプ政権が発表する見込み。原油と中東関連に直結
8/26(水)エヌビディア決算──今週-3.93%の日経平均にとって、最大の反発材料にも追い打ちにもなり得る
8/26(水)米7月PCEデフレーター──FRBが最も重視するインフレ指標。FOMC議事要旨のタカ派姿勢を裏づけるか
8/27〜29 ジャクソンホール会議──8/28にウォーシュFRB議長の基調講演。今週の金利上昇が正当化されるかどうかの分岐点
・そのほか8/25の米6月ケースシラー住宅価格指数・7月新築住宅販売件数・8月コンファレンスボード消費者信頼感指数、月末の外国為替平衡操作の実施状況(介入実績の公表)
金利・株・暗号資産のすべてが「ウォーシュ議長が何を言うか」で振れやすい週です。今週の急騰の多くが金利低下期待に支えられている以上、講演がタカ派に傾けば反動も大きくなりやすい点は意識しておきたいところです。
FX日足チャート 15通貨ペア 移動平均線
🔵 陽線(上昇)/ 🔴 陰線(下落) 移動平均線:緑25日・水色50日・青100日・赤200日
USD/JPY(ドル円) 🔄 週間-0.20%で158.979円──ドル安と円安が相殺、SMA200のみ上の状態が続く

ドル円は158.979円で週間-0.196%(-0.313円)と、ほぼ変わらずで着地しました。ただし中身は静かではありません。週間始値159.301円から、水曜(8/19)の米財務省バイバック発表で週間安値158.01円まで急落し、そこから週間高値159.778円まで全戻し——という往復の1週間でした。移動平均線との位置関係は先週と同じで、SMA200(158.313円)のみ上、SMA25(160.211円)・SMA50(160.991円)・SMA100(159.972円)は依然として上方にあります。SMA200乖離率は先週の+0.695%から+0.421%へやや縮小。SMA配列は「混在」のままです。

⚠️ 注意:今週いちばん大事なのは、「ドルが対円以外で全面安だったのに、ドル円はほとんど下がらなかった」という事実です。USD/CHFは-1.462%、USD/CADは-0.806%、EUR/USDは+0.921%——ドル売りははっきりしていました。それでもドル円が動かなかったのは、円が同じくらい売られたためです。7月貿易赤字6,345億円(前年の約4倍)という実需の円売りと、9月利上げがすでに織り込み済みであることが効いています。上値の壁は先週と変わらずSMA100(159.972円)と160円の大台が重なるゾーンで、ここは介入警戒ゾーンでもあります。
EUR/JPY・GBP/JPY・AUD/JPY・CHF/JPY 📈 2週連続で全ペア上昇──EUR/JPY・AUD/JPYが4本すべてのSMAを回復

クロス円は2週連続で全ペア上昇しました。上昇率順にCHF/JPY(198.362円、週間+1.283%)、AUD/JPY(113.985円、+1.008%)、EUR/JPY(185.630円、+0.715%)、GBP/JPY(216.908円、+0.603%)。位置関係の改善が大きいのはEUR/JPYで、先週はSMA200のみ上でしたが、今週は4本すべて(184.405/184.699/185.101/184.085)を上回りましたAUD/JPYも残っていたSMA100(113.062円)を突破して4本すべての上へ。先週まで4本すべてのSMAの下だったCHF/JPYも、SMA25(197.729円)だけは回復しています。一方でGBP/JPYは4本すべての上を維持しつつ、SMA配列が「上昇パーフェクトオーダー」から「混在」へ崩れました(SMA25が215.592円、SMA50が215.599円と、わずか0.007円の差で逆転)。

💡 チェックポイント:CHF/JPYがクロス円で最大の上昇となったのは、先週まで「円もフランも弱い」で相殺していた構図が、今週はフラン高側に傾いたためです。ドル安局面でフランが買い戻され、EUR/CHFは4週ぶりに反落(-0.617%)、USD/CHFは15ペア最大の下落(-1.462%)となりました。GBP/JPYのSMA配列崩れは差がわずか0.007円で、来週の値動きで簡単に戻り得る水準です。「崩れた」というより「並んで止まっている」と見るのが実態に近いところです。
EUR/USD(ユーロドル) 🚀 週間+0.92%で1.1677──最後の壁だったSMA200を突破、4本すべての上へ

EUR/USDは1.1677で週間+0.921%(+0.0107ドル)と大きく上昇しました。先週「残る壁はSMA200(1.1628)」と書いたその壁を、今週突破しています。SMA25(1.1511)・SMA50(1.1473)・SMA100(1.1571)・SMA200(1.1629)と4本すべてを上回り、乖離率はSMA50で+1.777%。週間高値1.1711は5月中旬以来の水準で、75日間高値1.1788までは1%を切りました。3週間かけて「SMA25・50を回復 → SMA100を回復して下降PO解消 → SMA200を突破」と、教科書どおりの順序で形が整った格好です。

💡 チェックポイント:先週「SMA200を上抜けて初めてトレンド転換と呼べる段階」と書きましたが、その条件が1週間で満たされました。ただしSMA配列は依然として「混在」で、移動平均線そのものが上向きに並び替わるにはもう少し時間がかかります。価格が4本の上に出た段階と、線の並びが変わる段階は別物です。次の節目は75日間高値1.1788
GBP/USD(ポンドドル) 📈 週間+0.80%で1.3643──週間高値1.3675が75日間高値を更新

GBP/USDは1.3643で週間+0.796%(+0.0108ドル)と3週連続の上昇。注目は週間高値1.3675が、そのまま75日間高値になっている点です。つまり今週、直近75営業日で最も高い水準を更新しました。4本すべてのSMA(1.3456/1.3391/1.3428/1.3421)を上回る位置は維持され、乖離率はSMA50で+1.884%まで拡大。先週「収束帯から上放れした」と書いた動きが、そのまま素直に伸びた形です。SMA配列は「混在」のままですが、100日線と200日線がほぼ同じ水準(1.3428/1.3421)で横ばいなので、価格が上に離れれば線の並びも遅れて追いついてきます。

AUD/USD・NZD/USD(資源国通貨) 🚀 NZD/USDが+1.49%で15ペア最大の上昇──AUD/USDも+1.20%で両ペアとも全SMA上

ドル安の恩恵をいちばん受けたのが資源国通貨でした。NZD/USD(0.5980、週間+1.489%)は15通貨ペアで最大の上昇率となり、週間高値0.5990は75日間高値0.5994に肉薄。4本すべてのSMA(0.5859/0.5797/0.5835/0.5837)を上回り、SMA50乖離率は+3.166%まで拡大しました。AUD/USD(0.7170、週間+1.200%)も4週連続の上昇で、こちらも4本すべてのSMA(0.7039/0.6997/0.7067/0.6949)の上。SMA200乖離率は+3.176%です。両ペアともSMA配列は「混在」ですが、乖離率の大きさは15ペアで上位に並びます。

💡 チェックポイント:資源国通貨の上昇は、ドル安・原油高・貴金属高がすべて追い風になるという三重の理由がそろった結果です。今週は白金+7.85%・銀+6.89%・原油+5.66%・金+5.56%と、資源関連が軒並み上がりました。ただし乖離率が3%を超えてくると、短期的には行き過ぎの調整が入りやすい水準でもあります。
EUR/CHF・USD/CAD・USD/CHF 📉 USD/CHFが-1.46%で15ペア最大の下落──真のパーフェクトオーダーは1週で消滅

ドル安が最もはっきり出たグループです。USD/CHF(0.8012、週間-1.462%)は15ペアで最大の下落率となり、先週回復したばかりのSMA25(0.8103)・SMA50(0.8083)を再び割り込みました。SMA配列は「上昇パーフェクトオーダー」のままですが、価格が2本の下に沈んだため、先週の「真のパーフェクトオーダー」は1週間で消滅しています。USD/CAD(1.3759、週間-0.806%)は2週続けて大きく下げ、最後に残っていたSMA200(1.3849)も割り込んで4本すべてのSMAの下へ。原油高がカナダドルを押し上げた形です。EUR/CHF(0.9351、週間-0.617%)は4週ぶりに反落しましたが、4本すべてのSMA(0.9329/0.9276/0.9228/0.9223)の上を維持しSMA配列も上昇パーフェクトオーダー——今週は15ペアで唯一の「真のパーフェクトオーダー」です。

💡 チェックポイント:先週「USD/CHFの真のPOは、ドルが強いというよりフランが弱い結果」と書きました。今週ドルが売られた途端に崩れたことで、その読みが裏づけられた形です。真のPOのバトンはEUR/CHFに移りましたが、こちらも週間では反落しており、フラン安の勢いは今週いったん止まっています
EUR/GBP・CAD/JPY・EUR/AUD 🔄 CAD/JPYが全SMA上へ復帰──EUR/GBPは下降POが継続、EUR/AUDは全SMA下のまま

CAD/JPY(115.478円、週間+0.575%)は先週まで残っていたSMA100(114.952円)を突破し、4本すべてのSMAの上に戻りました。3週間前に75日間安値110.795円をつけたところからは4.7円の戻しです。原油高と円安が重なった素直な上昇。EUR/GBP(0.8558、週間+0.118%)は小幅に反発しましたが、SMA50(0.8563)・SMA100(0.8612)・SMA200(0.8659)を下回る下降パーフェクトオーダーが続いています。ユーロもポンドも対ドルで上がったなかでは、ポンドのほうがやや強かったということです。EUR/AUD(1.6280、週間-0.304%)は3週続落で4本すべてのSMAの下。SMA200乖離率-2.827%は15ペアで最も大きなマイナスで、豪ドルの強さがここにも出ています。

💡 チェックポイント:今週は15ペア中9ペア(EUR/JPY・GBP/JPY・AUD/JPY・CAD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・AUD/USD・NZD/USD・EUR/CHF)が4本すべての移動平均線の上に並びました。逆に4本すべての下にあるのはUSD/CADとEUR/AUDの2ペアだけです。「ドルとユーロが弱く、資源国通貨とポンドが強い」という今週の構図が、位置関係にそのまま出ています。
グローバル市場 コモディティ チャート 直近100日
🔵 陽線(上昇)/ 🔴 陰線(下落) 各銘柄の直近100営業日の値動き
📊 日経平均株価 📉 週間-3.93%で66,016円──12銘柄で唯一の大幅安、SMA5とSMA50を割り込む

日経平均は66,016円で週間-3.926%(-2,697円)と急落しました(データ日:8/21)。先週+3.997%で68,000円台を回復した直後の反転です。週間始値68,882円から週間高値69,226円をつけたあと、週間安値65,134円まで4,092円の下落。8/19に終値ベースで2,000円超安、8/21も900円超安と、週の後半に売りが集中しました。移動平均線ではSMA5(66,848円)とSMA50(67,358円)を割り込み、かろうじてSMA25(65,615円)の上で踏みとどまった状態です。レンジ内位置は69.4%と先週の79.7%から低下し、月間も-0.150%と再びマイナスへ転じました。

⚠️ 注意:今週12銘柄のうち大きく下げたのは日経平均だけです(NYダウは-0.848%の小幅安)。原因ははっきりしていて、米長期金利の上昇 → PERの高いグロース株売り → 半導体株中心の日経平均が集中的に売られるという経路。8/18の米SOX指数-4.98%がそのまま東京に波及しました。ここ4週間の週間安値を並べると60,449円 → 61,948円 → 64,651円 → 65,134円と、切り上がり自体はまだ続いています。当面の分岐点はSMA25(65,615円)を守れるか、そして8/26のエヌビディア決算です。
📈 NYダウ平均 🔄 週間-0.85%で53,277ドル──金曜は+518ドルと反発、レンジ内84.2%

NYダウは53,277ドルで週間-0.848%(-455ドル)と2週続落しました。ただし金曜(8/21)は前日比+518ドル・+0.981%と反発して引けており、週間安値52,755ドルから戻して終わっています。SMA5(53,260ドル)・SMA25(53,045ドル)・SMA50(52,589ドル)をすべて上回る位置は維持し、レンジ内位置は84.2%(先週89.6%)。月間では+2.027%とプラスです。日経が-3.93%と急落するなかでの-0.85%で、日米の差がさらに開いた1週間でした。ハイテク比率の低いダウは、金利上昇局面では相対的に強く出ます。

📈 米10年国債利回り 📉 4.74%でレンジ内98.3%──100日間高値4.75%に肉薄、今週の株安の主因

米10年国債利回りは4.74%で週間+0.894%(+0.04ポイント)と続伸しました。週間高値4.75%は100日間高値と同値で、レンジ内位置は98.3%(先週90.2%)。ほぼ100日間で最も高い水準まで来ています。SMA5(4.70%)・SMA25(4.67%)・SMA50(4.58%)をすべて上回り、月間では+1.739%。水曜のバイバック発表で超長期の利回りは一度下がったものの、同じ日のFOMC議事要旨がタカ派だったことで中期ゾーンは戻し、金曜も前日比+0.894%(+0.04ポイント)と、週の高値圏で引けています。

🔴 ポイント:今週の相場を理解する鍵はここです。米金利がレンジ内98.3%まで上がったのに、金は+5.56%、ビットコインは+22.33%上昇しました。通常なら金利上昇は、利息を生まない資産(金・暗号資産)には逆風のはずです。それでも上がったのは、金利上昇の理由が「景気が強い」ではなく「財政赤字と国債需給への不安」と読まれているためと考えられます。米30年債が約19年ぶりの5.34%まで上がり、当局が買い戻しで抑えにいかざるを得なかった——その構図そのものが、実物資産を買う理由になっています。
😨 VIX指数(恐怖指数) 🔄 15.13へ上昇(+6.18%)──レンジ内0.4%→6.9%、それでも低水準は継続

VIX指数は15.13で週間+6.175%(+0.88ポイント)と4週ぶりに上昇しました。週間高値16.14まで買われる場面もあり、レンジ内位置は先週の0.4%から6.9%へ。ただし金曜(8/21)は前日比-5.497%と低下して引けており、SMA25(16.39)・SMA50(16.76)はともに上方にあります。月間では-9.075%と、まだマイナス圏です。日経が-3.93%と急落した週としては、VIXの上がり方はむしろ控えめでした。

💡 チェックポイント:先週このレポートで「これだけ低いと戻る余地が大きい」と書きましたが、今週はまさに小さく戻した形です。とはいえ15.13という絶対水準は依然として低く、100日間高値28.00とは倍近い開きがあります。日本株が-3.93%下げるなかでVIXが16台前半にとどまったのは、売られたのがハイテク・グロースに限定的で、市場全体のパニックにはなっていないことの裏づけとも読めます。来週はジャクソンホール会議とエヌビディア決算が控えており、跳ねるとすればここです。
₿ ビットコイン(BTC/JPY) 🚀 週間+22.33%で1,228万円──レンジ内17.7%→81.6%、100日チャートで突出した急騰

ビットコインは12,281,568円で週間+22.326%(+2,241,542円)と急騰しました(データ日:8/22)。週間安値9,970,603円から週間高値12,597,245円まで、1週間で260万円超の値幅です。ドル建てでは8/21に一時7万9,000ドル台を記録しました。SMA5(11,523,901円)・SMA25(10,410,004円)・SMA50(10,423,220円)をすべて大きく上抜け、レンジ内位置は先週の17.7%から81.6%へ。月間でも+15.242%とプラスへ転じています。100日間高値12,932,481円までは、あと5.3%です。

⚠️ 注意:先週「株が上がっても連動しなくなっている」と書いた翌週に、株が下がるなかで単独で急騰するという展開になりました。上昇の中身は、①バイバック発表によるドル安・金利低下、②6週間積み上がったショートの連鎖清算(数十億ドル規模)、③CLARITY法案への期待、④現物ETFへの資金流入——の合わせ技です。ただし②の踏み上げは持続しません。実際、土曜(8/22)は前日比-1.373%と反落しています。100日チャートを見ると、5月中旬の1,250万円台から6月下旬の100日間安値9,393,403円まで下げたあと、7月から8月上旬は1,000万円前後の横ばいが続いていました。その横ばいを、わずか1週間で上へ突き抜けた形です。値動きの速さそのものが、この銘柄のリスクを示しています。
⟠ イーサリアム(ETH/JPY) 🚀 週間+28.79%で385,915円──週間高値404,757円が100日間高値を更新、12銘柄で最大の上昇

イーサリアムは385,915円で週間+28.794%(+86,278円)と、12銘柄で最大の上昇率となりました(データ日:8/22)。特筆すべきは週間高値404,757円が、そのまま100日間高値になっている点です。つまり今週直近100営業日の最高値を更新しました。週間安値297,461円から高値まで10万円超の値幅で、上げ幅はBTC(+22.33%)を上回ります。SMA5(363,492円)・SMA25(312,425円)・SMA50(306,365円)をすべて大きく上抜け、レンジ内位置は先週の44.0%から88.5%へ。月間では+25.479%です。

⚠️ 注意:先週まで「BTCのレンジ内17.7%に対しETHは44.0%」と、ETHのほうが相対的に強い状態が続いていました。今週はその差がさらに開き、ETHだけが100日間高値を更新しています。ただし土曜(8/22)は前日比-3.483%とBTC(-1.373%)より大きく反落しており、上げも速いが下げも速いという性質は変わりません。100日間安値241,501円から高値404,757円までのレンジ幅は約1.7倍で、この振れ幅の大きさは常に頭に置いておきたいところです。
🛢️ WTI原油 📈 週間+5.66%で87.06ドル──米イラン暫定合意の期限切れで2週連続上昇、週間高値89.00ドル

WTI原油は87.06ドルで週間+5.655%(+4.66ドル)と2週連続の上昇となりました(データ日:8/21)。米国とイランの暫定合意が期限を迎え、延長されなかったことによる供給不安が背景です。週間安値81.50ドルから週間高値89.00ドルまで7.5ドルの値幅で、90ドルの大台が視野に入ってきました。SMA5(86.03ドル)・SMA25(83.21ドル)・SMA50(79.09ドル)をすべて上回る位置で、レンジ内位置は39.6%(先週30.4%)。月間では+0.265%と、ようやくプラス圏に戻しています。6月下旬の100日間安値67.04ドルからは20ドルの戻しです。

⚠️ 注意:原油高は日本にとってそのまま貿易赤字と円安に直結します。今週発表された7月貿易収支が前年の約4倍となる6,345億円の赤字だった主因は、原油輸入単価が前年比78%高だったことです。来週8/24には米国がイランへの新たな経済制裁を発表する見込みで、原油はさらに振れやすい状況が続きます。100日間高値117.63ドル・安値67.04ドルというレンジの広さも意識しておきたいところです。
🥇 金(Gold) 🚀 週間+5.56%で4,624.1ドル──週間高値でそのまま引ける強さ、レンジ内72.1%

金は4,624.1ドルで週間+5.563%(+243.7ドル)と3週連続の上昇となりました(データ日:8/21)。注目すべきは、終値4,624.1ドルが週間高値そのものだという点です。週のいちばん高いところで引けたということで、上昇の勢いが週末まで途切れませんでした。SMA25(4,236.24ドル)・SMA50(4,175.94ドル)を大きく上回る位置を維持し、レンジ内位置は先週の51.2%から72.1%へ。月間では+11.507%(+477.2ドル)です。100日間高値4,879.7ドルまでは5.5%まで迫りました。

💡 チェックポイント:4週間のレンジ内位置の推移は6.8% → 41.6% → 51.2% → 72.1%。7月末の底値圏から一直線に戻しています。今週の上昇要因は、8/19のバイバック発表によるドル安と超長期金利の一時的な低下、そして米財政赤字への不安です。米10年利回りがレンジ内98.3%まで上がるなかで金が5%以上上がったという事実は、「金利が上がっているのに金が買われる=通貨や国債そのものへの不信」という読み方を支持します。
🥈 銀(Silver) 🚀 週間+6.89%で69.47ドル──70ドルが目前、月間+15.74%は貴金属3品目で最大

銀は69.47ドルで週間+6.891%(+4.48ドル)と続伸しました(データ日:8/21)。週間安値63.12ドルから週間高値69.85ドルまで一気に上げ、70ドルの大台が目前です。SMA25(61.81ドル)・SMA50(61.64ドル)を大きく上回り、レンジ内位置は先週の29.0%から42.7%へ改善。月間では+15.740%(+9.45ドル)で、金(+11.51%)や白金(+14.86%)を上回る伸びです。先週は「上昇の途中というより安値圏からの反発の初動」と書きましたが、今週の+6.89%を見ると初動の段階は抜けたと見てよさそうです。100日間高値88.89ドルまではまだ距離があります。

⬜ 白金(Platinum) 🚀 週間+7.85%で1,887.3ドル──貴金属3品目で最大の上昇率、レンジ内53.5%

白金は1,887.3ドルで週間+7.846%(+137.3ドル)と、貴金属3品目で最大の上昇率となりました(データ日:8/21)。先週は+0.383%と足踏みしていましたが、今週は一転しての急伸です。週間安値1,726.4ドルから週間高値1,887.3ドル(=終値)まで160ドル超の上昇。SMA25(1,700.65ドル)・SMA50(1,672.87ドル)を大きく上回り、レンジ内位置は先週の33.9%から53.5%へ——100日間レンジの真ん中を上抜けました。月間では+14.855%です。なおチャートを見ると、白金は6月以降データが飛び飛びになっている日が多く、日々の値動きの形は他銘柄ほど滑らかではない点にはご注意ください。

💡 チェックポイント:先週「貴金属3品目のなかで白金だけが足踏み」と書きましたが、今週はその白金が最大の上昇率になりました。3品目そろって上がる週が続いており、月間では白金+14.86%・銀+15.74%・金+11.51%と、いずれも二桁の伸びです。ドル安と財政不安という共通の材料で動いているぶん、3品目まとめて反転するリスクも同時にある点は意識しておきたいところです。
🇨🇳 上海総合指数 / 🇮🇳 インド SENSEX 🔄 上海は3週ぶりに終値データが復活して-0.56%──インドは-0.60%で2週続落

上海総合(3,905.20、データ日:8/21)は3週ぶりに終値データが取得でき、週間-0.560%(-21.97ポイント)と小幅安でした。SMA25(3,883.37)は上回るものの、SMA5(3,935.26)・SMA50(3,958.04)は下回る位置。レンジ内位置は31.7%で、月間では+0.987%とプラスです。先週まで「週間レンジが3,900台へ切り上がっている」と書いてきた見立ては、実際の終値3,905.20で裏づけられました。インドSENSEX(77,541、データ日:8/21)は週間-0.600%(-468ポイント)と2週続落。SMA5(77,390)・SMA50(77,394)は上回るもののSMA25(77,699)を割り込み、レンジ内位置は先週の83.5%から76.7%へ低下しました。月間は+1.024%です。

💡 チェックポイント:今週はアジア株がそろって軟調でした。日経-3.93%、インド-0.60%、上海-0.56%。ただし下げ幅の桁が違い、日経だけが突出して売られている点が今週の特徴です。上海とインドは半導体・AI関連の比重が日経ほど高くないため、米金利上昇の直撃を受けにくいという構造の差が出ています。

📋 今週の全体まとめ

チャートをざっくり3グループに分けると——

🟢 上昇したもの:イーサリアム(+28.79%100日高値404,757円を更新・レンジ内88.5%)、ビットコイン(+22.33%・一時7万9,000ドル台・レンジ内17.7%→81.6%)、白金(+7.85%・貴金属3品目で最大・レンジ内53.5%)、銀(+6.89%・月間+15.74%・70ドルが目前)、VIX(+6.18%・4週ぶり上昇もレンジ内6.9%)、WTI原油(+5.66%・米イラン暫定合意の期限切れ・週間高値89.00ドル)、金(+5.56%週間高値4,624.1ドルで引け・レンジ内72.1%)、NZD/USD(+1.49%・15ペア最大の上昇)、CHF/JPY(+1.28%・SMA25を回復)、AUD/USD(+1.20%・4週連続上昇)、AUD/JPY(+1.01%・全SMA上へ)、EUR/USD(+0.92%・SMA200を突破し全SMA上へ)、米10年利回り(+0.89%・4.74%でレンジ内98.3%)、GBP/USD(+0.80%・75日高値1.3675を更新)、EUR/JPY(+0.72%・全SMA上へ)、GBP/JPY(+0.60%・上昇POは「混在」へ)、CAD/JPY(+0.58%・全SMA上へ)、EUR/GBP(+0.12%)

🔴 下落したもの:日経平均(-3.93%・66,016円・8/19に2,000円超安・SMA5とSMA50を割り込む)、USD/CHF(-1.46%・15ペア最大の下落・真のPOが1週で消滅)、NYダウ(-0.85%・ただし金曜は+518ドル)、USD/CAD(-0.81%・全SMA下へ)、EUR/CHF(-0.62%・4週ぶり反落も15ペア唯一の真のPO)、インドSENSEX(-0.60%・2週続落)、上海総合(-0.56%・3週ぶりに終値データ復活)、EUR/AUD(-0.30%・3週続落)

🟡 方向感を探っている:ドル円(-0.20%・158.979円・ドル安と円安が相殺して週間ではほぼ動かず。週間安値158.01円から週間高値159.778円までの往復)

ひと言でまとめると、「米財務省のバイバック倍増でドルが急落、暗号資産と貴金属が全面高——金利上昇で日経だけが-3.93%」という週でした。すべての起点は水曜(8/19)です。米財務省が長期国債の買い戻し上限を20億ドルから少なくとも40億ドルへ倍増すると発表し、約19年ぶりの高水準5.34%付近まで上がっていた米30年債利回りが約10bp低下。ドル指数が急落し、ドル円は158.01円まで下げました。ここに6週間積み上がった暗号資産のショートの連鎖清算が重なり、ETH+28.79%(100日間高値を更新)・BTC+22.33%(一時7万9,000ドル台)という急騰に。貴金属も白金+7.85%・銀+6.89%・金+5.56%と3品目そろって上がり、金は週間高値でそのまま引けました。ところが同じ8/19に公表されたFOMC議事要旨は「多くの参加者が追加引き締めの必要性を認識」というタカ派の中身で、米10年利回りは4.74%・レンジ内98.3%と100日間高値に肉薄。金利上昇 → PERの高いグロース株売り → 半導体株中心の日経平均が急落という経路で、8/19に2,000円超安・8/21も900円超安となり、日経は12銘柄で唯一の大幅安(-3.93%)となりました。為替はドルが対円以外で全面安(USD/CHF-1.46%が15ペア最大の下落)でしたが、8/20の7月貿易赤字6,345億円(前年の約4倍、原油輸入単価+78%)と8/21の7月コアCPI+1.8%(予想どおり、2%目標を7か月連続で下回る)で円も売られ、ドル円は-0.20%とほぼ動かず。ドル安と円安が相殺した形です。位置関係では15ペア中9ペアが4本すべての移動平均線の上に並び、EUR/USDは最後の壁だったSMA200を突破しました。来週は8/26のエヌビディア決算と米7月PCEデフレーター、8/27〜29のジャクソンホール会議(8/28にウォーシュFRB議長の基調講演)が並びます。今週の急騰の多くが金利低下期待に支えられている以上、講演の中身次第で反動も大きくなりやすい週です。日経がSMA25(65,615円)を守れるか、金が100日間高値4,879.7ドルに向かえるか、そしてBTCの踏み上げがどこで燃料切れになるかを見ていきたいところです。

※ 本記事は個人による相場チャートの分析まとめです。投資の推奨・助言を目的とするものではありません。投資に関する最終判断はご自身でお願いします。相場は予告なく大きく変動することがあります。余裕資金での投資を心がけましょう。